わかりやすく「しかる」
「田中先生、こどもをしかるのにはほとほと疲れ果てました。」とある親御さんがため息をつかれています。
いろいろな考えがおありかと思いますが、田中のしかり方を紹介します。気をつけている点は、
「感情を入れてはいけない」
「しかることを我慢してはいけない」
「何に対してしかられているかわかりやすくする」
しかるときはその場で機械的にしかります。
しかるのを辛抱して一度に爆発すると感情がでてきます。
感情が加わると「しかる」ではなく「怒る」ことになります。
支離滅裂で子供を罵倒するだけでは、何のためにしかるか本末転倒になります。
また、知らずにストレス解消のためにしかるのも困りものです。
「おまえのために言っているんだ」とどなりながら、このしかり方は効果があるのかどうか冷静に観察しなければならないと思います。
しかられた子どもは子どもなりに、保護者の言動を頼りに修正しようとします。
けれどもその指示が具体的でないとしかられる意味がわかりません。
なぜしかられるのかととまどうだけです。
悪い例です。
保護者「しっかりしなさい」
子どもの気持ち(しっかりするためにはどうするの?)
保護者「大人になりなさい」
子どもの気持ち(どうしたら大人になれるの?)
保護者「ちゃんと考えなさい」
子どもの気持ち(何をどう考えるの?)
保護者「親の言うとおりにしなさい」
子どもの気持ち(何をどうすればいいの?)
保護者「勉強しなさい」
子どもの気持ち(勉強のしかたがわからないんだけど)
できるだけ具体的に、子どもが何が自分の欠点であり、保護者が何をしてほしいのか、そのためにはどうすればよいか、などを飲み込めるしかり方が有効です。
子供の成長に合わせて、段階的に表現や内容を変えるのも大事です。
また、同時にほめることも大切です。
しかられたことを矯正できた子供には、たくさんほめてやります。
「しかり上手はほめ上手」と言われるゆえんです。