ブログ一覧

先生、覚えられないよ!

定期テスト前になると泣きついてくるのはKさんです。

「先生、頭が悪くて覚えられないです。」深刻そうな顔つきです。

そのような子ほどふだんの勉強に熱心ではありません。

解決をあと延ばしして、逃げ場がなくなるとパニックになります。

クールダウンさせながら、覚える作業に導かなければなりません。

「先生はいつも見ているけれど、頭がわるいわけではないと言い切れるよ。」

まずは、はげますことから。

「何を覚えようとしているか見せてごらん。」

英単語なり漢字なり覚えようとしている全体量を把握させます。

「こんなにたくさんをどうやって覚えようとしたの?」

自分が行った暗記法を認識させます。

「そんなんじゃ、覚えられるわけないじゃないの。デジカメで写すわけではないんだし。」

 覚えられないとすがりついてくる子どもは、「楽して」「速く」「たくさん」覚えようとしています。

それができないと短絡的に「あー、自分はダメだ」とガックリきます。

ですので、その逆だと気がつかせねばいけません。

つまり誰でも「辛くて」「遅いし」「少し」しか覚えられないのだと。

「もう少し工夫しないとね。覚えて忘れていじけて、また覚えて忘れる繰り返しだからね。」

究極の魔法のような暗記法はありません。

自分にあったものを見つけるためには、試行錯誤が必要です。

ノートやカードにまとめたり、声を出したり身振り手振りを使って。

指導する側は、いろいろやらせて過程を見ながら、また創意工夫や努力をほめながら、矯正しなければなりません。

暗記したものが「記憶」として昇華しているかどうかです。

 たくさん無駄な努力をした子どもが、自分だけの最高の暗記方法を手にいられます。

 

 

2018年11月25日

わかりやすく「しかる」

「田中先生、こどもをしかるのにはほとほと疲れ果てました。」とある親御さんがため息をつかれています。

いろいろな考えがおありかと思いますが、田中のしかり方を紹介します。気をつけている点は、

「感情を入れてはいけない」

「しかることを我慢してはいけない」

「何に対してしかられているかわかりやすくする」

しかるときはその場で機械的にしかります。

しかるのを辛抱して一度に爆発すると感情がでてきます。

感情が加わると「しかる」ではなく「怒る」ことになります。

支離滅裂で子供を罵倒するだけでは、何のためにしかるか本末転倒になります。

また、知らずにストレス解消のためにしかるのも困りものです。

「おまえのために言っているんだ」とどなりながら、このしかり方は効果があるのかどうか冷静に観察しなければならないと思います。

しかられた子どもは子どもなりに、保護者の言動を頼りに修正しようとします。

けれどもその指示が具体的でないとしかられる意味がわかりません。

なぜしかられるのかととまどうだけです。

悪い例です。

 保護者「しっかりしなさい」

 子どもの気持ち(しっかりするためにはどうするの?)

 保護者「大人になりなさい」

 子どもの気持ち(どうしたら大人になれるの?)

 保護者「ちゃんと考えなさい」

 子どもの気持ち(何をどう考えるの?)

 保護者「親の言うとおりにしなさい」

 子どもの気持ち(何をどうすればいいの?)

 保護者「勉強しなさい」

 子どもの気持ち(勉強のしかたがわからないんだけど)

できるだけ具体的に、子どもが何が自分の欠点であり、保護者が何をしてほしいのか、そのためにはどうすればよいか、などを飲み込めるしかり方が有効です。

子供の成長に合わせて、段階的に表現や内容を変えるのも大事です。

また、同時にほめることも大切です。

しかられたことを矯正できた子供には、たくさんほめてやります。

「しかり上手はほめ上手」と言われるゆえんです。

 

2018年11月25日

小5「扇形と中心角」

 

中1の3学期に苦労する子どもは、小5の時理解不十分だったのです。

教えやすそうで、実は概念を定着させるのが難しい単元です。

あるとき図形が苦手だったJさんをじっくり観察して気がつきました。

「扇形を円の変形したもの」と誤認しているのです。

つまり「つぶれた形」ととらえています。

そういう子は多いです。

「扇形を円の一部」と教えるようにしてから、うまくいくようになりました。

注意すべき点は、

・長さと面積を混同させない。

・周りの長さは実際に一周させてみる。

・扇形は円をイメージさせる。

・扇形の半径や中心角はいちいちなぞらせる。

 時間が許すかぎり「作図」をまじえて教えたいところです。

2018年11月25日

あやとりブーム

Fさんがあやとりを持っていたのをきっかけに、塾ではプチブームになっていました。

田中は「ふたりあやとり」「ひとりあやとり」「ほうき」くらいの腕前です。

Gさんが家から本を持ってきてくれたので、「一段はしご」~「六段はしご」をマスターしてみんなに披露しました。

全く興味を示さない子と非常に興味を示す子に二分されます。

示さない子は

「複雑でわからない。」

「本を見ても何が何だか。」

「幼稚園の時もできなかった。」

示す子は、

「不思議で面白い。」

「できるとうれしい。」

もちろん勉強が終わってからですが、Hさんらにせがまれていくつかを教授しています。

 

 

2018年11月25日

勉強の仕方 ①

「うちの子どもは、勉強のしかたがわからないようです。教えてやってください、先生。」

というご要望は保護者から多々聞きます。

田中からの返答はひとことです。

「とりあえず勉強させてみましょう。」

納得いかないような顔をされます。
 
塾では何か勉強のできる魔法をかけてもらえるのだろうと期待している子どももいます。

努力しなくとも楽に直ぐに勉強ができるようになって、成績が上がる。

そのような他力本願的な甘さでは、結果は出ません。

まずそこに気づいてもらうことが先決です。

「学問に王道なし」と言われ、全くその通りだと思います。

「勉強のしかた」は講義を受けて身に付くものではありません。

いろいろ試して、効果を見て、失敗して、反省して、矯正していきます。
Dさんはやっと「勉強のしかた」をマスターしたようです。

定期テストの準備では、範囲を正確に把握して、覚えやすいようにまとめ、集中して覚え、類似問題を解き、理解できないところを田中に聞き、もう一度確認してみる。

まるで流れ作業のように淡々とこなしています。

成績も上々。ここまで1年半以上はかかりました。

当初は、「先生、何をすればいいのですか?」

「次は何ですか?」

「どのくらい覚えればいいのですか?」

といちいち命令を受けないと勉強が始まりませんでした。

近頃では「後は暗記をするだけなので自宅でできます。」

と頼もしいかぎりです。

こうなると高校、大学へと将来の学問へ通じることができます。
 
塾で学んでほしいことはこの「勉強のしかた」です。

定期テストや受験の勉強はそのための練習台みたいなものです。

逆はありえません。

 

2018年11月25日

中2「飽和水蒸気量」

教えるのに難しい単元です。

割合(百分率)を小学生の時ないがしろにされてきた子どもは、決まって苦しむ所でもあります。

教えるコツは、理科の言葉をやさしく言い換えること。

例えば、

・「飽和」→「限界ギリギリ」

・「水蒸気量」→「水の重さ」

・「露点」→「あふれてしまった時の気温」

・「湿度」→「水がどのくらい入っているかの割合」

理科風の言葉をかみくだいて教えるとうまくいきます。

また、何が問われているのかをはっきりさせることです。

気温?湿度?水の重さ?この3パターンしかありません。

 

2018年11月25日

Dさんをしかりました

Dさんが理科のテキストだけを持ってくるのを忘れて塾に来ました。

理由はすぐわかりました。

理科の宿題をしたくなかったからです。

顔色を見ると罪悪感が全くありません。

このような時にはきつく叱ります。

そして、家に取りに帰るようにしました。

子どもが悪いことをした時や嘘をついた時には、顔に出ます。

目に見える時は安心です。

悪いことをしている自覚があります。

ですが、全く顔に出ない嘘もあります。

そのような子は自分で善悪の価値基準を作れないので、しかることで基準を示さなければなりません。

それを逃すと「したくないことはしたくないからしない」ことが当たり前になる傾向もあります。

十数年のベストセラーにありましたが、自分のエゴのためには「平気で嘘をつく人々」にはなって欲しくはないのです。

「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれるよ」と諭したのは遠い時代です。

 

2018年11月25日

勉強の仕方②

Eさんは定期テスト前になると、2週間くらいの学習計画をたてられるようになりました。

大いなる進歩です。

準備をする姿勢ができてきました。

次に会得すべきは、効率がよく、試験で結果の出るような勉強方法です。

見ると、試験範囲をノートに何色ものペンを使ってまとめています。

まるでデコレーションケーキのようです。

しかしここにEさんの落とし穴があります。

こんなに時間と労力をかけたまとめノートが役に立っていないのです。

学校でもらったプリントや教科書の重要事項をなぞっているだけですので、試しに意味を尋ねてもほとんどあいまいな回答しかかえせません。

その上、本人はそのことに気づいていません。

「きれいなまとめノートだけれど、いつも時間切れで、覚えたり問題を解くことができないでしょう。」

と繰り返し忠告します。

しかし、Eさんはこの作業をしていると勉強した気になるので、止めることには不服です。

このような「勉強のしかた」がまだわからない子どもには、試験にでる問題をプリントで定着するまで練習させた方が、試験の点数は上がります。

しかしテスト勉強はこうするものだという偏見があるので、なかなか納得して矯正できません。

「勉強のしかた」を勉強するには、Eさんは失敗を重ねるでしょう。

もちろん、それを最小限にするのが教える側の役目ですが。今日も同じセリフを言い続けます。

 「今何をしているか。考えながら勉強しないとね。」

 

2018年11月25日

情報戦化する定期テスト

中学生たちは定期テスト対策に大わらわです。

早くから塾に来て勉強する姿をを見て、小学生たちは驚いています。

「中学生になったら、こんな風に勉強するんだよ。」と、田中は上級生の背中を見せるのも良い経験だと思っています。

今回の中間テストは、夏休み明けからほとんど間がありませんでした。

途中に運動会やシルバー連休が挟まれていましたので、中学校での実質学習期間は数週間でした。

このようなテストの場合は、情報を制した子どもが利を得ます。

例えばFさんはテスト前になると職員室に通うようになり、出題しそうな問題情報をちゃっかり得てきます。

また、教師側も教える時間が縮小されるので、授業だけでは足りず、プリントを配布して各生徒の学習に頼らざるをえません。

テスト3日前くらいに配られたプリントを暗記することが大事になります。

そういった機転をきかせて、小回りのきく子どもは高得点を取ってきます。

開設当初の田中塾では、定期テストの点数をあげるためにいろいろな試みをしました。

例えば、定期テストを何年分もコピーをして、教科の先生別に出題傾向を分析したり、

子どもからノートや教材を借り受け予想問題を作成したりなどです。

確かに功をそうし成績や順位が上がり、本人も親御さんも喜ばれました。

しかし、それは付け焼き刃的な成績でしかありません。

なかには「自分はできるようになった」

「勉強なんて簡単なもんだ」と勘違いをする子どもが現れてしまいます。

ダイエットと同じく、急激にことを行ったものはすぐにリバウンドしてしまいます。

恒常的な体質改善しか解決策はないのにかかわらずです。

それでも定期テストの順位を上げ内申点を稼ぎ、高校受験で成功すれば何とかなるだろうという考えはあると思います。

けれども、そうした手段や運だけで入学した子どもの苦労をたくさん見てきました。

身近な功を焦るあまり、インスタントに子どもを教えた失敗も重ねました。

現在、定期テストの準備期間は「勉強のしかた」を集中的に教えられる機会ととらえています。

 

2018年11月25日

空白期間

高校受験を私立単願推薦で終えた子どもたちがいます。

その子たちには4ヶ月弱の学習空白期間が生まれます。

1月の中旬には合格発表をもらい、入学してからもオリエンテーションなどで、実質の学習は5月連休あけからになります。

中には4ヶ月弱も受験勉強していなかった子が、4ヶ月弱の休養期間をもらうようなこともあります。

そのツケは夏前くらいに現れます。

いざ勉強しようと思っても頭は鈍麻していますし、高校生の勉強法が身に付いていません。
 
中学校生活では必死にラストスパートをかけるクラスメートを尻目に、清掃やボランティア、卒業式の準備に取りかかっています。

出願日、試験日や発表日は留守番なので自習が多くなります。

ですので、その空白期間による学力の低下を危惧した高校では、入学前にテストを行ったり課題を出していまが、全く対策をしていない学校もあります。

そこで塾では一番引っかかりやすい数学中心に予習をしています。

ここまでできると1学期中は大丈夫です。

・不等式(主に数直線の練習)

・解の公式

・たすきがけ

・複雑な因数分解

・絶対値の関数(グラフ)

・平方完成

・二次関数(グラフと変域)
 

 

2018年11月25日

中1英語「いるあるなるです」

中学1年生の難所は「一般動詞」の文と「Be動詞」の文の区別を理解することです。

これだけで子どもたちにはフーフー悩んでいますが、さらに難敵は「現在進行形」。

「Be動詞+ 動詞のing」で両者が混ざっていますので、混乱すること限りなしです。

教える順番を考慮して欲しいものです。

「~ing」を分詞の形容詞として教える方法があるのですが、国語の文法で「形容詞は『~い』で言い切られる」と習っているので、混乱に火に油を注ぐこともあります。

そこで「Be動詞」を「いる」「ある」「なる」「です」として限定して練習します。

「Be動詞」を「=」と置き換えて説明するのも効果的です。

 

2018年11月25日

受験の小論文指導

今回は「小論文」の指導についてです。

たいていの子どもにとって「小論文」を書く経験はありませんので、五里霧中になります。

「先生、論文って何ですか?」

「感想文とどう違うんですか?」

と、とまどいます。

対して形式を整える指導をします。

まず、文体を「~だ」「~である」に変えます。

それだけで格式が出てくるのは不思議です。

次に課題の真意を把握させます。

「共生」という言葉を知らずして論文は書けませんので、関連する文章を読ませたりの概念づけが必要です。

さらに自分の意見を主張することを指導します。

ここが辛抱がいるところです。

 YESかNoから始めます。

「共生は大事にすべきか」

「YESです。」

「『共生』ってどういうことを指しているの?人間同士?人間と動物?植物?地球人と宇宙人?」

「人類と生き物です?」

「ゴキブリも入るの?」

「入ります」

と膨らませていきます。

また「感想」ではなく「意見」を求められているので、どのような主張も「~だから~である」と因果関係で説明する練習も必要です。

以下は比較的書きやすい題名です。

 
・「ものを作る」ことについて

・「もったいない」という言葉について

・「命の尊さ」について

・「優しさと厳しさ」について

・「大人になる」とは

・「私の好きな季節」について

・「思いやり」について

・「言葉の持つ力」について

・「マナー」について

・「共生」について

 

 

2018年11月25日

受験の作文指導

 

作文や小論文を課せられる学校があります。

受験生は冬期講習あたりから訓練を始めます。

800字~1200字程度の書かせるのですが、なかなか筆が動かない子どもがいます。

そのような子どもには、最初は誘導して話しをさせます。

例えば、

「一番がんばったことは何かな?部活かな?委員会活動かな?まさか勉強ではないよね。」

「部活です。」

「大変だったことは何?練習?先輩との仲?」

「チームがまとまらないことでした。」

「その時どうやって解決したの?」

「練習の後みんなで話し合ったり・・・。」

というように、ストーリーを仕立てる助けをします。

最初は3時間くらいかかる子がいます。

それでも下の題名で1ヶ月以上かけて書く頃には、30分程度で書きあがるようになります。

最初は誤字脱字に注意して、文章や表現をほめることが大事です。

書き慣れるにつれて、自分の意見を重ねられるよう内容を深めていきます。

・今までに一番頑張ったこと

・高校生活でやりたいこと

・私の好きな言葉

・この高校を選んだ理由

・将来の夢

・私のこと

・私の尊敬する人

・友人について

・誇りに思うこと

・大切な人

・高校でチャレンジしたいこと

・最近もっとも感動したこと

・最近読んだ本

2018年11月25日

Bさんのケアレスミス

Bさんはよくうっかりとミスをします。

計算で-(マイナス)をつけ忘れたり、英単語のSを省略します。

本人はケアレスミスだから、何でもないと思っていますが、そこが一番深刻なところです。

原因は表面的にしか理解していないところにあります。

マイナスの意味がよくあやふやで、何となくつけたりつけなかったりしています。

和や差の計算なら4通りの場合分けが必要で、頭の中に数直線をイメージする訓練をしなければなりません。

・+5+8=

・+5-8=

・-5+8=

・-5-8=

Sのつけ方もあいまいですので場合分けします。

・複数のS・・(cameras, apples)

・三単現のS・・(makes, eats)  

・所有のS・・(Bob's, Tanaka's)

 これらを理解してやっと上記のケアレスミスはなくなります。

ですので、保護者で「先生、この子はわかっているのですけれど、テストではケアレスミスを繰り返すのです。」

とおっしゃる方々は多いのですが、「少し時間がかかりますよ。」と返答するしかありません。

同様に中3の二次方程式の計算で±(プラスマイナス)を忘れる子どもには、「平方」と「平方根」の意味を復習させると効果的です。

 

2018年11月25日

証明の重要性

子どもたちに様々な教科を教えていますが、数学の「証明」の単元は最も大切にしているひとつです。

論理的に理由づけできることは人間であるために必須だと思います。

導入では子どもたちにこういう問いをします。

「なぜあなたはおなかがすいているの?」。

対して、

「おなかがすいているから」という子どもが多いこと。

これでは言葉を使って何も言っていないことになります。

周りにも氾濫しています。

「空は青いから青い。」

「私が好きだから好き」。子どもたちには、

「夕食を食べるひまがないから。」

「育ち盛りだから。」と理由を答えなければ会話にはならないと教えます。
 
「証明」できるということは、他人に考えを伝えたり、説得したりできることです。

また、因果関係をとらえる理性の仕事です。

こんな大事な単元はないと思うのですが、なかなか上手に教えられる先生はいないようです。

田中塾ではかなりの時間を割いています。

 

2018年11月25日

特色化選抜

今年は2月6日(金)に県立の特色化選抜試験、正式名は「特色ある入学者選抜」が行われます。

各高校の合否の判定が長年不明瞭でしたが、最近では各校のホームページに「入学者選抜の選抜・評価方法」を公表しています。

子どもの出欠、調査票、独自試験、面接などを数値化し総合的に判断されているようです。

しかし、「スポーツ推薦」という言葉がまことしやかに語られるように、いくつかの高校の不公平感は否めません。

スポーツに秀でた子どもが高校の部活顧問の先生に招待されて、部活動に何回か参加します。

そこで吟味され、目にかなわれるようなら「スポーツ推薦」を獲得することになります。

その場合、よほどのことがないかぎり特色化推薦で不合格になることはないようです。

真意のほどはわかりませんが、そうなると、特色化での実技試験は、形ばかりの建前にすぎなくなります。

そんな制度も2010年度から廃止の方向で検討されています。
 
子どもたちには、不合格であたりまえ、期待しないように指導しています。

不合格のダメージを考慮すると受けさせないのも一つの手です。

 

2018年11月25日

旧塾生Aさんのこと

Aさん(女子)が始めて塾に来たのは中2の学期末でした。

保護者が嫌がるAさんの首に縄をつけてつれてきました。

一目で反抗期まっただ中、自分のやりたいことはやるが、やりたくないことは一切しない時期だとわかります。

保護者は、時間が来れば自然に改善するだろうと楽観していたようですが、中3になる前にしびれを切らし無理矢理通わせることにしたようです。
 
Aさんの話を聞くと、

「自分は馬鹿だから勉強をしても無駄です。

勉強をしなくても困るのは自分だけで、親に迷惑をかけるわけではありません。だから、放っておいてほしいのです。」

なるほど理屈は通っています。

まず、そのように論理的なことを言えることをほめてやります。

いろいろ話を聞いた後に、

「それなら、なぜ塾に来たの?」

すると、

「勉強ができなくて恥ずかしいからです。」

「誰に対して恥ずかしく思うの?」

「友だちや後輩の見る目が冷たいのは嫌です。」

「それじゃ、理解できないところをクリアーにしていこうか。」
 
それから、Aさんと何が理解できていないかを納得させる作業に取りかかります。

一覧表を作らせたりして、具体的に目に見えるようにします。

それには学習を進めながら数ヶ月かかりますが、Aさんのような性格の子には大事なことです。

これまで漠然としていた勉強に対する悩みを整理し、処方を提示する。

さらに今勉強している単元の意味づけをしてやる。

後はもともと力のある子どもですから、学習は面白いように進んでいきます。
 
「何がわからないかわからせる」。こんなあたりまえの指導ですが、効果抜群です。

 

2018年11月25日

ことわざの重要度

何人かの子どもたちはことわざ、慣用句、四字熟語などの宿題を課せられています。

1度に2~3枚を練習します。全部で750枚ほど用意してありまして、小4くらいから始めるとだいたい中2になる前に終了します。

なぜそこまでことわざにこだわるかというと、それが言葉の宝石箱だからです。

リズム、韻は親しみやすく、一瞬でストーリーやイメージを引き出す表象力はさすが「世界最短の芸術作品」と評されるほどです。

また、いろはカルタで遊ばなくなって以来、言葉に対する感覚と倫理観が薄れてきたとも言われています。

 

2018年11月25日

中3最後の授業

本日、中学3年生は田中塾で勉強する最終日を迎えました。

続けて通う子どももいますが、以後は名実とも卒塾生となります。

数ヶ月前に高校受験が終了し、中学校の卒業式の後も、通い続けていただきました。

「合格したら終わり」という単なる「受験屋」の塾が多い中、ご理解いただき感謝しています。

志望校が決まった後は、数学中心の高校単元の予習を行ってきました。

・解の公式

・不等式

・たすきがけ

・平方完成

・二次関数

このくらいの貯金が出来ましたので、入学後、高校生活に適応する間の余裕が出来たと思います。

 子ども達の数学の解き方を見てみますと、どこに出しても恥ずかしくない「学習の型」を授けることができたと思います。

プロの教師は、子どもがこれまでどのような教育を受けてきたか見抜けるものです。

論理の過程を一行一行ていねいにつづることができるようになりました。

田中が耳にたこができるくらい繰り返す言葉は、「計算は頭でなく、手でするもの」です。

同じように、手間ひまをかけて辞書をひくことを身につけた子どもは、今や珍しい部類に入るかもしれません。
 
その中の一人、小学3年生から通塾してきたKさんは7年間通い続けました。

この学年の最長記録はこの子です。

いつもおどおど気弱な子どもが、今ではおとな顔負けの大柄な身体に成長し、積極的にいろいろなことに挑戦できる自信さえ出てきました。

振り返ると、ある卒塾生のいとことしてご紹介いただいたのが、入塾のきっかけでした。

そのご家庭からは4人の兄弟姉妹が通塾しましたので、足かけ17~8年間もご親族と関わりを持たせていただけたことになります。

 

2018年11月25日

ほめることについて

入塾申込書にはご家庭からのご要望をいただく欄があります。

その中で「家で誉められることが少ないので、出来るだけ誉めてやっていただけると有り難いです。」とありました。

ご家庭の中での厳格な様子が思い浮かばれます。

他にも「子どもを絶対にほめないのが、うちの教育方針です。」と公言されるご家庭があります。

お父さんに多いのですが話をうかがうと、ほめることによって子どもの気がゆるみ進歩が止まるのではないかと考えられているようです。

検定試験に合格したり、成績の順位が上がった時にも「やれば結果がついてくるのはあたりまえだ。

より目標を高く、まだまだがんばれる。」と背中を押し続けるようです。

部活動の先生などもそのようなタイプがおられるようです。

試合に勝利した後「何だ!今の勝ち方は、あの程度の相手に手こずっているようでは、先が思いやられるぞ。」

ほめられるどころか、しかられる場合もあるようです。

それでは、田中はどうかと言えば、ほめ続けるスタイルを選択しています。

理由はいろいろあるのですが、ほめる材料を見つけた瞬間、すぐほめることにしています。

「字がきれいだね。」

「発音がいいね。」

「計算が正確になって来たね。」

「前回間違えた問題を解けるようになったね」などです。

それには子どもに対しての細かな観察が必要です。

欠点を見つけるのはたやすく、的確に長所を見つけるのは本当に難しいものです。

しかし、何でもほめればいいのかというとそうでもなく、子どもも「おだて」にはそうやすやす乗ることはありません。

逆に子どもあつかいされたと、不快になることもあります。

「もっとほめられるようにがんばろう」と奮起させるには、子どもの真の姿が見えていることが前提になります。

 

2018年11月25日

Kさんの訪問

先日田中の誕生日に合わせて、卒塾生のKさんが祝いを述べに来てくれました。

数年ぶりに見るりりしいスーツ姿です。

塾の子どもには菓子折、田中には図書カードの手みやげつきです。

この気遣いや様々な話題、表情など輝くばかりの好青年の体です。

Kさんは最近転職したばかりの26歳で、順調な様子が一目で分かります。

田中塾が開塾した年には小学4年生、その後10年間も通った子どもです

。途中不登校になり、生きるの死ぬのという時期がありました。

その間の本人、親、田中の葛藤をいつか文章にまとめて、ブログの記事にしてもいいかと尋ねてみました。

「もちろんかまいませんけれど、僕みたい変わった子どもが集まってきてしまいますよ。」といっぱしの返答でした。

「何人に来ても平気ですよ。Kさんと出会って田中の方もかなり経験とスキル積み、タフになりましたものね。」とは言えませんでしたが。

この学年の子どもたちは、よく慕ってくれました。

昨年はMさんが結婚しました。

しかし、残念ながら招待にこたえられず田中は列席できませんでした。

もう何年かたてば、卒塾生の子どもを教えられる機会がくるかもしれません。

何と楽しみなことでしょうか。

 

2018年11月25日

いい学校とは?

子どもや保護者より「先生、いい学校はどこですか?」と問われることがしばしばです。

いい学校に進学したいのは皆が望むところです。

が、田中はいい学校の基準は相対的だと思いますので、子どもには「合う学校」を紹介することになります。

基本的な判断の材料をあげてみます。

・私立か公立か。

・男子校・女子校か共学か。

・学校の規模は大きいか小さいか。

・付属の学校があるかないか。

・自宅から近いか遠いか。

・部活動が活発かそうではないか。

・校風が自由か管理が厳しいか。

・伝統があるか新設校か。

・クラス編成が(特進クラス、文系クラス、スポーツクラスなど)細かくされているかされていないか。

それぞれ一長一短でどちらが「いい」というより、どちらが子どもに適しているかの視点が大事だと思います。

ご家庭や本人の好みもあります。

田中としては最後の「クラス編成が細かくされているかされていないか。」の選択では、「されていない」学校に好感を持っています。

最近の傾向は「編成が細かい」方が、指導がていねいだという幻想を与えるのか、人気があります。

しかし、実際は名ばかりで実がともなっていない学校が多いような気がします。

また、高校の実績を上げてくれる「特進クラス」の子どもばかりを、高1から囲い込み厚い指導をほどこす反面、

その他の子ども達をおざなりにしてしまう学校もあります。

高校での勉強は受験科目だけをすればよいのではなく、従来通り高1、高2で広い教養と可能性を与え、

受験学年で文系理系のレベル別クラス編成がなされるべきだと思います。

実際、伝統的な名門校はそのスタイルを守っています。

受験勉強だけでは受験に勝てないことを十二分に知っているからでしょう。

 

2018年11月25日

体罰について

先日Sさんらに「田中先生は体罰をどう思いますか?」と尋ねられました。

学校で何かあったのでしょうか。

「そうね。昔はよく手をあげたものだよ。

遅刻すれば、バシッ!

宿題忘れたら、バシッ、バシッ!」と。

「暴力先生だったのですね。」とおびえるようなまなざしでした。

誇張はあるものの、「体罰=教育」として世間で認められ、教える側のテクニックであった頃がありました。

要所を心得て「体罰」を行える先生は熱心な先生で、信頼も厚いものでした。

教師仲間ではケガをさせない、跡を残さない、しかし打音は大きく効果的な方法を研究し情報交換し合ったものです。

保護者の中には「先生、よくぞ我が子を殴ってくれました。ひとさまに叱られて子どもも目が覚めたようです。」と、感謝いただいたこともしばしばです。

しかしそれも今は昔です。

1990年過ぎた頃から「体罰=暴力」の構図ができ、保護者や子どもの反感の対象になりました。

体罰の技術を持たない教師が、感情的に教育的配慮なく一発行使し、たんに子どもにダメージを与えるだけの後味の悪い事件が数々ありました。

また、子ども自身がご家庭や地域で体罰を受ける機会がないので、あまりにもパニックになり、教育の手段として通用しなくなったのもその理由でしょう。

現在通塾のMさんのお父さんから「障害が残らない程度にお願いします。」と託されています。

田中はもう手をあげることはありませんが、ありがたい言葉をいただいたと思っています。

 

2018年11月25日

賢さと優しさ

 

学習塾を営んでいる身からして、「賢さ」というものに敏感になっていきます。

この「賢さ」は「頭がいい」というのとは少し違います。ある種の人間全体の性質みたいなものです。

勉強ができなくても「賢い」子どもはいます。

反対に勉強ができるだけのふつうの子どももいます。

反射神経や一瞬の記憶力だけの受験秀才のような子どもいます。
 
子どもを「賢く」するにはどうしたらいいのでしょうか。

学力を上げることに専念する方法では、なかなか心のひだに届きません。

田中は子どもに対して、愛情をもって接することに尽きると考えています。

子どもは愛情の機微に触れれば触れるほど、心の器を開き、細やかな性質に変わっていくような気がします。

そこから潜在的な能力が目に見え、開花しはじめることになります。

さらにより「賢く」なるにつれ、他人に対する「優しさ」が現れ、その心の変化には驚きも感じます。

Kさん、反抗期が終わり家族の考えや忠告が理解できるようになりました。

顔つきがずいぶん「優しく」なってきています。

2018年11月25日

中2数学「場合の数」

 

3学期定期テスト後に教わる単元は、省略されるか流されることが多いです。

そのツケは将来子どもたちにまわってきます。

「確率」を教える前に「場合の数」の意味がわからなければ混乱します。

学習要項改悪以前は小6と中3で教わりましたが、現在は1度だけしか機会がありません。

塾では意味がわかるまで時間をかけています。

カードや樹形図で概念をしっかり教えなければなりません。

・「場合の数」・・・何通りありえるかの数。

・「順列」・・・・・並び方。

・「組み合わせ」・・選び方。

確率の問題にはトランプを題材にしたものが見られますが、ほとんど遊んだことがない子が多くなってきました。

「絵札は何枚?」、「ダイヤって何色?」「ジャックっていくつ?」から教え始めます。

近い将来、さいころをふったことがない子どもが現れても不思議はない気がします。

2018年11月25日

Rさんのノート分割法

 

中学生の期末テスト結果が出そろいました。

躍進をとげたのはRさん(男子)でした。

特に理科・社会の点数が良かったです。

その理由は勉強のしかたが身に付いてきたからだと言えます。

自分のぺースと勉強方法がぴったり合うようになりました。

ここまで約2年弱かかりました。

試行錯誤の末身に付いたそれは宝物になるでしょう。

Rさんの勉強の流れを記しておきます。

・試験範囲を確認し、2週間前から細かく予定をたてる。

・教科書の要点と授業のプリント要点を合わせた「まとめノート」を作る。

・「まとめノート」の要点を、何度も「暗記ノート」に書きながら暗記する。

・覚えられたか、赤い下敷きなど使って確認してみる。

・学校のワークを「問題ノート」に解き、間違ったところを「暗記ノート」に練習する。

・塾のワークやプリントで類似問題を解いてみる。新しい知識は「まとめノート」に加える。

やはり理解できてないところを「暗記ノート」で練習する。

・直前には、間違ったところの暗記のみに集中する。

このようにRさんは、3冊のノートを使い分ける独自の方法を身につけました。

つまり、「まとめ」て、「解い」て、「暗記」する流れ作業を、各々ノートで分担します。

それらをもくもくと繰り返しているに過ぎません。

このスタイルが全ての子どもに適するわけではありませんが、「勉強のしかたがわかりません」と嘆き、投げ出す前に、自分の手と頭を使って考えられる方法を試すべきだと思います。

とりあえず、Rさんのまねから始めるのも得策です。

2018年11月25日

言葉遣いについて

 

田中塾の自慢の一つは、子供たちの言葉遣いのていねいさです。

採点のためプリントを差し出すとき、説明を受けるとき「お願いします。」と、プリントを受け取るとき、説明を聞き終わったとき「ありがとうございます。」と子供たちは言います。

他にも「トイレに行きます。」

「辞書を借ります。」

「宿題は何ですか。」などていねい語を自然に使用しています。

強制しているわけではなく、堅苦しい雰囲気はありません。
 
子供たちにそうさせるコツは、子どもに対して一人の人格者として接することだと思います。

体験学習など通塾の初期段階で、田中の方からていねい語で語りかけます。

また、男女区別なく「~さん」と呼称します。

このブログでも「~君」と呼ばれている男子がいないとお気づきになりましたか。

最初にそう呼ばれる男の子はびっくりしますが、すぐに慣れます。

そして、他の子どもたちの口ぶりをまねるようになります。
 
子どもたちは、ピアノ、水泳、そろばん、野球など様々な習い事に通っています。

それら市井の先生たちが、地域の子どもに言葉遣いをしつけていたような気がします。

しかし近頃では、あたかも友達のような言葉使いをしています。

近所のおじさんおばさんやお店のご主人などと接する中で、あいさつや言葉遣いを学んだのは遠い昔のようです。

ところが小学生のPさんとQさんの二人だけは、言葉遣いがなかなか改まりません。

唯我独存の性格で、自分だけ違う言葉で話していることに気がつかないようです。

その個性は尊重されるべきですが、少しずつ矯正していこうと思っています。

2018年11月25日

最高の教え方

先日の某カフェにて、隣の席で大学生風の男子学生が、高校1年生の女子を教えている風景を眼にしました。

家庭教師として自宅で教わるということではなく、定期的にこのような場所を利用しているようです。

じゃましないようにじっくり観察しました。

教科は数学です。

穏やかな口ぶりですが、男子学生の熱心さは伝わります。

しかし、男子学生は教えているのではなく、自分で問題を解きその過程を見せているだけにすぎません。

女子は気をつかっているのかうなずくそぶりを繰り返しますが、理解はできていないようです。

このような教える側の未熟はよくあります。

数ヶ月後、男子学生がその失敗を気づくまで続けられるでしょう。

教える技量は失敗を重ねる量に比例して進歩します。

田中もそうでした。試行錯誤を重ねつつ段階的に進歩していきました。

第1段階は「問題を解いてみせることができる」教え方。

大学生講師などに多いですが、子供のペースを気にすることなく進んでいきます。

第2段階は「生徒と一緒に解くことができる」教え方。

教壇で演じているだけではだめだと気がつくと、子供と二人三脚で進め始めます。

フィールドバックの重要性を意識します。

第3段階は「理解させることができる」教え方。

様々な子供たちを教えていくことによって、問題の意味と解答に導く方法をわからせることができるようになります。

子供が躓きそうな所を先に回避できる教え方もできるようになります。

第4段階は「学力として定着させられる」教え方。

「解き方」は時間とともに薄らぎますが、「考え方」は一度身につくとどの教科にも応用が利きます。

 そして「最高の教え方」とはなんでしょう。田中はこう考えています。

第5段階は「教えることなくわからせる」教え方。

何か禅問答のような感じがしますが、極力教えることなく子供が自分で考えられ、自主的に進んでいける学習環境を整えるような教え方です。

教え方に体系性が加わると近いものになります。いわゆる「勉強のしかた」を教えることになります。

田中自身この域にはまだまだです。ひとつの道だと思っています。

 

2018年11月25日

県立高校合否発表

昨日は県立高校合格発表の日でした。

幸いに全員が志望校に進学できることになりました。

Mさんは「田中先生のおかげです。」と満面の笑みで言ってくれました。

保護者の方々も喜んでおられる様子で、肩の荷がふと下りた感がいたします。

これまで田中の受験に対する方法論を信じていただき、感謝の念にたえません。

受験前1~2ヶ月前の勉強方法をいくつか紹介します。

・過去の問題集を解いてみる。

 学習時間の半分以上を割り当てるべきです。

できれば数回解き、問題に対する慣れを身につけることが大事です。

始めた時刻、終了の時刻を記録させます。

また、答え合わせの後問題解説を熟読させ、新たな知識を得ることを喚起させます。

・難しい問題にこだわらない。

現在の低倍率の受験では、同レベルの子供たちと競うことになっています。

基礎的な問題で、確実に点数を積み重ねる戦術の方がリスクは少ないです。

そのために自分が解ける問題、解けるかもしれないが時間がかかりそうな問題、解けないだろう問題を見きわめる眼を育成します。

・受験情報を気にしない。

合格倍率などで気分が高ぶるのはマイナスです。

低倍率だから合格する確証はないですし、高倍率だからどうのこうのジタバタするのは無駄です。

コツコツ勉強を続けた子は、一種の割り切りがありますので動揺することがありません。

「合格しようと気を張らないで、不合格にならないようにすれば、自然に合格しているものよ。」とよく言い聞かせます。

 

2018年11月25日

体験学習では

塾生になる前に3回程度の体験学習を行っています。

塾の方から入塾をご遠慮いただいたことはありません。

保護者と子どもが通塾できるかのお試し期間みたいなものです。

その間田中が観察することは、

◎外面

・服装

・身のこなし方(背筋が伸びている。肩が揺れているなど。)

・表情や目の動き(集中力、感情の抑揚、辛抱強さ)

・言葉遣いや話し方(声の抑揚、語尾)

・字体(鉛筆の持ち方、大きさ、濃さ、力強さ)

・筆箱の中身(備品の管理)

◎学習面

・学校での現在の理解度

・これまでの単元の理解度

・言葉の受け答えや反応度
 

特に経験則としては、靴の汚れ具合で保護者の忙しさがわかるような気がします。

学習面は短時間では把握できないので、今勉強すべきこと、又はしたほうがよいことを一つ決めて体験学習を行います。

必ず帰り際には、「今日の勉強はどうだった?」と尋ねます。

8~9割の子が、「楽しかった。」と答えます。
「遊んでいたわけではないのに、どうして楽しかったの?」と尋ね直すと、「わかって嬉しかったから」と。

そう言える子どもは向上心があり、学習に対しての素直な姿勢がありますので、入塾してすぐに結果が現れます。

何かの縁があってお預かりすることになるのですから、いろいろ観察しながら今後どのような学習が効果的かを考えています。

 

2018年11月25日

「汚い字」を書く子ども

 

田中が作る教材は、解答欄をなるべく大きくしています。

漢字練習や慣用句などでは大き過ぎて、エコに反すると批判が出るほどです。

それでも、大きくしっかりとした字を書かせることにこだわっています。

これは日常的に体得する方法しかありません。
 
汚い字を書く子どもを、なるべく早期に矯正しようとしますが、なかなか労多いものになります。

何年もかかる場合もあります。

「大きくはっきりと字を書きなさい!」と何百回となくしかり続け、苦労した経験がある親御さんがおられると思います。

しかし子どもの性格に根ざしたものですので、なかなか良くはなりません。

観察してみると大きく分けて、「面倒くさがりタイプ」と、「気が弱くて自信がないタイプ」に多いです。

前者に対する田中の矯正法は、「汚い字を書いていると自分が困る」と自覚させる助言を具体的にすることです。

例えば計算の途中式などで、

「この行からこの行へ写すとき、字が汚くて読み違えたでしょ。」

「しっかりした字を書かないから、『6』と『b』を混乱したでしょ」

また、

「漢字を思い出すとき、画像が小さいと印象が薄いでしょ。」

「英単語のスペルが覚えられないのは、母音をはっきり書かないときでしょ」

など、繰り返しデメリットを具体的に示します。

そして大きくはっきり書くメリットを加えて諭します。

「ケアレスミス」もそうですが、本人が気がつくまで状況が変わることありません。

最近Eさんの字体が改善されてきました。

理由を尋ねると

「間違えも少なくなるし、大きくきれいな方が記憶に残るから。」

このように自覚できればもう大丈夫です。

学力も上がっていきます。

ここまで数年の歳月を費やし、数え切れないほどの忠言をしました。辛抱しながら気長に指導するしかありません。

また、後者の気が弱くて自信がないタイプの矯正は楽です。

ただ「ほめてやること」ですぐに改善されます。

大きくきれいな字を書けたら、本人が照れるくらいいっぱいほめてあげましょう。

2018年11月25日

中1英語「be動詞と一般動詞」

 

中学生になって英語を学び始め、最初につまずきやすい単元です。

文法的理解に慣れることが、後々の役に立ちます。

前提の知識がたくさんありますので、時間がかかるところです。

・主語を確実に見つけられるようにする。

・動詞を見つけてbe動詞か一般動詞かの区別できるようにする。

・be動詞のis, am, areの使い分けをできるようにする。

・単数・複数の意味をわからせる。

・一般動詞の原形と三単現のSを理解させる。

子どもたちはこのような間違えをよくします。

×I am have a book.

×He isn't play table tennis.

それらを矯正させる田中のわざとしては、

「ひとつの文章には動詞がひとつしかない」と教えます。

つまり英文は「be動詞型」か「一般動詞型」の二通りしかなく、それらの混合型はない、と子どもに認識させます。

しかし、そうなると「現在進行形」を学ぶとき混乱しやすいのです。

I am reading .  

「先生、動詞が二つありますよ。」と気がつく子どもがいます。

その時は「動詞~ing形」は動詞のふりをしているが、実は形容詞だと教えます。つまり、

I am happy.

のように「主語+be動詞+形容詞」なので、この文は「be動詞型」なのだと。

この「動詞のふりをしているけれど~」という教え方は、「動名詞」や過去分詞使う「現在完了」「受け身」などで非常にうまくいきます。

2018年11月25日

省略される言葉

子どもたちの話す言葉が極端に短くなっている、という傾向はここ数年顕著になってきました。

いろいろな理由が考えられますが、ひとつに英語の教科書が会話中心になってきたことと関係あると思います。

2レベルの英文を例にとると

①「Did you have a good time?」の和訳をたった一言「元気?」ですましています。

同様に

②「Did your uncle wash his car? 」を「おじさん、車洗った?」、授業やテストでは正解になります。

時制、主語、代名詞などは全く気にしていません。

田中は子どもたちに「きちんと一語ずつ日本語にしなさい。」と指導していますので、上の日本語では正解になりません。

①「あなたは楽しい時を過ごしましたか。」

②「あなたのおじさんは彼の車を洗いましたか。」と文節ごと和訳させます。

学校ではこんな面倒くさいことはしないと不満げな子どももいますが、後々のことを考えると譲れないところです。

Nさんは低学年の頃より英会話教室に通っています。

英検には標準より早い段階に合格しています。

英語が好きで楽しく勉強しています。

もちろん現時点ではなにも問題ありません。

しかし、一語一語きちんと英文を文法的に読んだり、ていねいに日本語にする訓練をしないままでは、

受験英語には対応できないのではないかと心配しています。

高校受験の際、何となく解けてしまうような選択問題や適語補充問題はこなせるでしょうが、本当の語学力が求められる長文読解や英作文には歯が立たないでしょう。

 

2018年11月25日

田中の失敗①

田中が大学に入学した頃の話です。

高校の大先輩に学習塾を営んでいる方がおりまして、入学式を迎える前に田中は塾の教壇に立っていました。

当時若気のいたりか人生の順風満帆に傲慢になっていたのか、「勉強を教えることなど簡単である」とたかをくくっていました。

そこに近所の方より家庭教師をしてくれないかと依頼がありました。

少々引きこもり気味の中3になった男子で、中1の後半頃から学習に遅れが出てきたそうです。

なんてことはないだろうと気軽に引き受けました。
 
そのFさんと初対面の日、田中は大失敗をしました。

普通にあいさつをし、会話を交え、高校受験に向けての学習計画を一緒に練りました。

教科書や参考書を積み上げて、「現在の実力がこれこれだから、この高校に受かるためには毎週このくらい勉強すればいいから、一緒にがんばろうね。次はいついつ来るからそれまでこの課題をしておいてね。」

と首尾良くFさんの家をあとにしました。

ところが次の日、Fさんのお母さんから緊急連絡をいただきました。

「Fが部屋の押入から出てこなくなりました。」

 田中はこの事態を聞いたとき、最初は理解ができませんでした。

「何がFさんとってまずかったのだろうか。」

それからFさん家に駆けつけ、押入の戸越しの会話を始めましたが、泣きじゃくるだけのFさんからはたった一言しか引き出せませんでした。

「僕にはできる自信がないんです。」

それから当時の田中が考えられる手を尽くしましたが、二度とFさんが田中を受け入れることはありませんでした。

Fさんの気持ちを考えられなくて、ただ申しわけないことをしてしまったという後悔の念が残りました。

そこで身にしみたことは、教えることの難しさです。

教わる人がいて、教える人がいる。

お互いが生身の人間です。

教えることは単に上から下へ水を流すような情報の伝達ではない。

子どもの能力、ペース、感情を総合的に捕らえ、同じ視点からものを見なければならない。

この失敗から多くを学ばさせていただきました。

もし今の田中がFさんを教えることができるなら、きっとその時の失敗を何倍にして返せるでしょう。

しかし叶わぬ夢ですので、今お預かりしている子ども達にどうしたらその分を返せるかを模索しています。

 

2018年11月25日

春は元気なRさん

新大学1年生になりたてのRさんが、報告がてら訪れてくれました。

入学式、ガイダンスが終わり、どの講座を選択しようかと履修要項も持参してきました。

雑談を交えながら講座の紹介文を読み、どんな授業なのかをいっしょに検討しました。

学生達への啓蒙的な授業なのか、教授の研究成果にそった専門的な授業なのかなどです。

 また、専門分野以外にもRさんは、資格を取得するための講座を選択する気でいます。

図書館司書、博物館学芸員、栄養管理士などですが、卒業後の職業を視野に入れているようで、

ずいぶん成長が見られるようになりました。

「本当にこんな資格が役に立つのですか?図書館や博物館の数はそれほどでもないですし。」

授業数は履修限界の50単位を考えています。

さらにバイトにも挑戦する気です。部活動にも入ります。

しかし、田中はここでブレーキをかけます。

Rさんを小学生の頃より見続けていますが、春はいつもこんな調子なのです。

毎春、「何でもやってやろう。私は何でもできる。」とテンションがあがりいろいろなことに手を染めます。

けれども5月の連休が終わる頃になると、無理をしていた分「私はだめだ。能力がない。」と気落ちする時期を迎えます。

正確に毎年同じことを繰り返してきました。

「たくさん手を伸ばすと、また負担に押しつぶされるよ。」と田中。

その時期的な反復をRさんに話をしました。

多少は理解してくれたようです。

ある程度自分の性格を客観的に見られ、他人の忠告に耳を傾けられる年頃になってきました。

「Rさん、春は一番輝いているけれどね。」

 

2018年11月25日

中2数学「等式変形」

学校ではこの単元は、ほとんど時間をかけられることはありません。

しかし、次の手強い「連立方程式」を、スムーズに理解させるための重要な単元なので省略できません。
 
教え方のコツは

・足し算と引き算は同じだと言うことを体感させる。同様にかけ算とわり算も。

・「=」を真ん中にして「左辺」と「右辺」のバランスに着目させる。

・1行にひとつの変形しかさせない。例えば「3をひいて2をかける」などはきちんと2行に分けさせる。

・慣れるまでは「移項」をさせない。

・一行一行丁寧な字で書かれていることに対して大いにほめる。

 

2018年11月25日

文章題が苦手

小学生低学年のSさんのお母さんは、文章題が苦手なことを気になされています。

ご家庭でも手間ひまをかけ試行錯誤をなされた様子です。

「わり算」は未習ですので使いませんが、「足し算」「引き算」「かけ算」の区別が上手にできないようです。

この春入塾したばかりのSさんを観察して、いくつか見えてきた原因を述べてみます。

・「1から10くらいまでの数しかイメージができない。」

学校では千の単位まで扱っていますが、Sさんは1,2,3,4,と数えていって、

10くらいまでは、鉛筆が10本、おはじきが10個とイメージできるのですが、

それ以上になると単に「たくさん」としかとらえられないようです。

ですので、問われているのが、増やすべきか減らすべきかを判断できないようです。

・「時間を逆にさかのぼれない。」

文章問題を解くには時間の概念が必要です。

たとえば「校庭に子どもが10人いました。それから3人帰りました」という場合、

時間が「過去」から「現在」に流れます。

Sさんにもこの推移はイメージできます。

ところが「3人帰る前は10人いました」と、

「現在」から「過去」へ時間をさかのぼらなければならない場合に、混乱してしまいます。

同様に「5ひいたら6になる数は?」など、計算した「前」のことを問われるのが苦手です。

・「3と三つの区別ができていない」

 個数の「3」と束として扱う「三つ」の違いは子どもにとっては難しいものです。

「3が三つあったらいくつ?」のような問いは混乱するばかりです。

「3を1つと考えてみると」という思考が必要になります。

小学高学年になってもあやふやな子どもは、「割合」や「比」の単元でつまずいてしまいます。

・「繰り下がり繰り上がりの練習が必要である。」

繰り上がりや繰り下がりのある、二桁の足し算引き算を筆算をよく間違えます。

それは10を固まりとしてイメージできないので、借りたり返したりができてないように思われます。

 お母さんに直接説明しましたが、これらは過度に懸念される程度ではないと思われます。

Sさんは集中力があり一生懸命勉強する姿勢があります。

向上心もあります。

ですので適切な訓練と時間があれば自然にクリアーできるでしょう。

心配なのは、成果を急ぐあまり文章題に対してコンプレックスをもつようになったり、

間違えることに過度におびえるようになることです。

Sさんの成長するペースに合わせて、学習を進めていこうと思っています。

 

2018年11月25日

春期講習が終了

本日は春期講習の最終日でした。

多い子どもで8日間学習しました。

毎日通えるのと体力的に余裕がありますので、効率のよい講習会でした。

特に春よりの新塾生に勉強するスタイルを身に付けることを重視しています。

何度も言うのですが、「自分の手と頭を使う」ことが勉強の極意です。

「楽にできればいい」「答えが合えばいい」という考え方から一番遠いところにあります。

 例えば、中3はこの時期「展開」と「因数分解」の計算を学ぶのですが、田中が選ぶ教え方は「公式を使わない」というものです。

「乗法の公式」を先に教えてあてはめさせるのが定石ですが、その知識なくともいつのまにか気がつき使っているものです。

その段階に達した子どもに「実はそれが乗法の公式というものだよ。」と名をあかします。

このように自分自身で身につけた知識は、忘れることがありませんし、本番のテストなどでも確実に使うことができます。

意味もわからなく暗記した知識はもろいものです。

ケアレスミスに悩んでいる子どもは多いのですが、その一番の原因は「本当に分かっていない」ことにあります。

付け焼き刃の知識では全く役に立たないのです。

昔は学校が単元の意味を教え、塾が裏技を教えていたのですが、様々な理由から逆転の相も見られるようになりました。

実は遠回りにこそ、一番の近道があるかもしれません。

 

2018年11月25日

中2理科「フレミングの法則」

 

フレミングの左手の法則では「電流の向き」と「磁界の向き」と「力の働く向き」を学習するのですが、理解できない子どもには全く理解できない単元です。

特に図形が苦手な子どもは苦しみます。

プリントには平面しか表せないので、教える側の独自の工夫が必要となります。

・左手の人差し指、親指、中指を垂直方向に向くようにしっかり固定させる。

・各指に「電流の向き」(プラスからマイナス)と「磁界の向き」(NからS)で「力の働く向き」をマジックなどではっきり矢印を描く。

・空間において、「右と左」、「上と下」、「手前と向こう」の6方向に限定させる。

「斜め」の方向は除外させる。

・視点の中心を自分に置く。

・プリント一枚目の展開図を組み立て、机の上に再現してみる。

それでも分からない場合、強大な磁石と電線をイメージさせ、自分がその中心にいると仮定して考えさせる。

ここまでの授業は時間がかかりますが、法則のたぐいは一度納得できればいつまでも残ります。

暗記の効き目が全くないところです。

2018年11月25日

テスト勉強法の進歩

定期テストの時期で、子どもたちが準備にいそしんでいます。

勉強のしかたがわからない、家庭学習ができない、

集中できないなどの子どもには、声をかけて毎日来てもらっています。

やる気満々で早くから来て、遅くまで試験勉強をする子どももいれば、毎日はとうてい通えない子ども、試験前だと焦りが出て空回りをする子もいます。

本人がどこまでがんばれるかを見て指示しています。

Fさんのお父さんは、毎回社会や理科の暗記カードを作り、子どもに覚えさせようとしています。

お父さんが作ってくれることにFさんはうれしそうです。

いつも見せてくれます。田中は、「Fさんが大人になって、子どもができたら、テスト前には同じように作らないといけないね。」照れながら、
Fさんは、「はい、作ります。」

そのカードは、表に「1918年、富山県でおこった焼き討ち事件は何ですか?」と問題が、裏には「米騒動」と解答が書かれています。

Fさん表を読んで裏の解答を言えるようになりました。

しかし、一方通行の勉強方法ですので、そろそろ次の段階を試す頃です。

裏を見て表の説明をできるようにするように指導します。

例えば、「米騒動って何?」

「1918年、富山県で米の高騰にたいして主婦などがおこした焼き討ち事件です。」

となれば、知識に広がりが出て、出題形式にとらわれず応用が効くようになります。
 
Fさんは、田中の提案するその勉強方法の効果や利点を理解できるようになりました。

あとは実際に本人が行動するかどうかです。

 

2018年11月25日

教科書はやさしい?

「教科書は基礎レベルだからやさしい」と広く考えられています。

親御さんのご希望で「教科書レベルをお願いします」とは、「学校の授業についていけないので、まずやさしい事柄から教えてやって下さい」と同義です。

しかし田中は英語の教科書の英文を日本語にする練習を少しするくらいで、その他の教科はほとんど使用しません。

その理由は、「学力不足の子どもには教科書が難しすぎて合わない」からです。


現在の教科書は参考書とも問題集とも言えず、単なる授業用の参考資料に過ぎないと思います。

以前の教科書は、説明、例題、演習が豊富で自習に耐えられるほど内容が充実していました。

「教科書百遍」と言われたように、それだけ繰り返し学習するだけで学力は上がっていきました。

しかし現在の教科書は、写真や文字が大きく見やすいものの、紙面が少ないので説明は簡潔、問題は最低限の掲載に過ぎません。

絞るだけ絞り出したエッセンスのようなもので、それだけでは理解は難しいものです。
 
田中は、以前世界各国の教科書をみる機会がありました。

日本の教科書は、紙質、デザインなど外形に優れているものの、ページ数の少なさはダントツでした。

それに比べて中国の教科書は日本の3倍は以上ありました。

これでは近い将来競争力どころか、同じ舞台にも立てなくなるほどの差かと思います。

また、子どもたちが書店などで問題集を買うことがあります。

子どもは苦手科目をどうにかしたいなどを動機にして、自力でもできそうな、やさしそうな問題集を選んできます。

その基準が、薄くて、字が多く、カラフルな問題集となります。

しかし上記と同じ理由で、それらは合わないものとなります。
 
本来なら学校や塾の教材に集中してほしいのですが、

「問題集を買って勉強したい。」という場合、子どものやる気や自主性を考慮して、田中が吟味したものを渡しています。

その際はご相談ください

 

2018年11月25日

田中の失敗②

学習進度に余裕がある子どもには、学年を越えての予習をしています。

けれども、何をどのくらい与えるかの案配には気をつけなければなりません。

ずいぶん前の話です。

Fさんは小学生の低学年から田中塾に通い始めました。

集中力があり一生懸命取り組む子どもで、1年間で学年の単元を2年間分こなすスピードがありました。

本人は先に進むのがうれしく親御さんもそう希望されていたので、塾ではどんどん先取り学習をしました。

田中もそれが子どもには良いことだと誤解していました。

しかし5年生で中2の単元を学習するようになった頃から、雲行きが怪しくなってきました。
 
一つ目の変化は、Fさんが「自分は優れているからこんなに予習ができるのだ」と勘違いをし始めました。

さらに「中学の勉強ができるから年上の小6より自分の方が偉い」と傲慢さも表れました。

同じ年の子どもたちからだんだん煙たがられるようになりました。
 
二つ目は、能力を過信し始めたので努力をしなくなりました。

これまで勉強が順調で先取りができたのは、Fさんの能力が秀でていたのではなく、他の子どもより時間をかけたくさんの問題を解いたからです。

そのことがFさんにはわかりませんでした。

プライドだけ高く、(それは人に聞いたり、『わからない』と素直に言えないということです)努力を怠るようになると、成績は目に見えて下がっていきます。

ずっとトップを走っていたFさんが、後から追いかけてくる子どもたちに追いつかれ、抜かされる時がきました

こういう場合はあっさりと抜かれます。

そうなるとFさんは、自分に対する自信をも喪失することになりました。

 
今では田中は、学力に余裕のある子どもにたいして、いたずらに浅く次々と教えることは避けています。

ひとつの問題をいろいろな解き方で解かせるなど、より深く理解させるようにしています。

この失敗から学んだことです。

そのあとのFさんは精神的に落ち込む時期をしばらく過ごしましたが、再びトップに返り咲きました。

今では謙虚な姿勢を決して崩さない、秀才肌の青年に成長しています。

 

2018年11月25日

知識の血肉化

小学生Kさんの学習に進展が見られてきました。
 
Kさんの親御さんが、「この子には理解力がないかもしれません」と

たいへん心配なされたのが入塾の動機でした。

家庭学習ではいろいろ試され、時間をかけられたようです。

しかし、田中が観察してみると、個性的なペースこそはありますが、全く能力的な危惧は感じられません。

想像すると、大人が期待する理解の速度と実際の子どものそれとにギャップがあったと思われます。

ご家庭で親御さんが教える際「何でこんなこともわからないのか?」
「何でこんなミスをするのか?」と、最後は感情的になり、子どもの方は「親は怒ってばかりで、よくわからない」と親子げんかが始まることがあります。

学年によっては子どもの習熟のスピードは想像以上に遅いです。

そのための必要な繰り返しの回数は、非常に多いものです。

教える側がこれを的確に把握するのはなかなか難しいことです。

田中は、子どもはなかなか理解してくれないものであると、
そして、一時的に理解しても定着しなければ意味はない、と考えています。

ですので、本当にわかるまで同じ説明を十数回します。

子どもが同じ数だけ忘れても、粛々と繰り返し作業のように教え続けます。

それでもうまくいかなければ、異なる解き方で何度でもアプローチを変えてみます。

そのあと突然子どもは、「先生、わかりました。」と目を輝かせてくれます。

そうなるとしめたもので、本当の血となり肉となった知識として定着します。

それは何年かたって忘れたとしても、潜在的に残っていますので、引き出すにはたいして労力はいりません。

自転車の乗り方を一度マスターすれば、どんなに間をおいても身体は覚えているということと同じです。

 

2018年11月25日

やればできる子

「やればできる」と先生方から評価されている子どもがいます。

田中は子どもにそう評価することはありません。

なぜなら、全ての子どもは「やればできる」からです。

そして本人はほめられた気になっていますが、裏を返せば「宝のもちぐされ」という揶揄や、努力をしていない「怠け者である」というニュアンスもあるからです。
 
数多くそう言われた子どもたちを観察していると、同じパターンが見られます。

だいたいにおいて自尊心だけは強く、幼児性を脱していないので、「本気になれば簡単だ」と甘い幻想を持っています。

その可能性の幻想の中にとどまる傾向があり、実際に腰を上げることはなかなかありません。

また「器用貧乏」の面も見られます。
 
それでも無理矢理にも勉強をさせると、自分が考えていたほどうまくいかず後ずさりし始めます。

そしてまた、居心地のいい場所、つまり永遠の「やればできる」子に戻ってしまいます。

ゲームの中に没入するタイプの子どもと相似形かもしれません。
 
対処法としては、ゆっくりと現実の姿を見せることから始めなければなりません。

その姿がどんなに惨めで情けなくとも、直視させます。

周りとしてはその姿やこれまでのことを否定することなく、一緒に見届ける態度が必要でしょうか。
 
学習の進む速度も本人が考えているほど、たとえるなら魔法をかけられて突然「できる子」に進化するわけではないので、イライラしたり簡単に投げ出すそぶりを見せることもあります。

そのような場合は、追いつめることなく軽い緩衝を入れるのが得策です。

導く側としても忍耐と根気は必要で、「3歩進んで2歩下がる」どころか

「3歩進んで4歩下がる」ことも予期して子どもを見守らなければなりません。

故に、 学校や習い事の先生から「やればできるんですけどね~」などご指摘をいただいた場合、それはほめ言葉ではありません。

 

2018年11月25日

骨折しました

先日未明、自宅にて不注意からつまずき、左足の親指を骨折しました。

整形外科の先生によると、全治1ヶ月以上はかかるそうです。

その間2~3週は松葉杖のお世話になる日が続きます。


 子どもに対しては個別に説明・採点をする授業形態ですので影響はなく、負傷に気がつかない子どももいるくらいでした。


Mさんなどは非常に気をつかってくれ、肩など貸すと言ってくれます。

本当は、教室内の移動などは大丈夫なのですが、せっかくですからMさんの肩を借り田中は、ケンケンをしながら動き回りました。

 

2018年11月25日

「ない」ことの証明

先日の数学の授業中、Qさんが興味深いですが、珍奇ともいえる発想をしましたので紹介します。

数年に一人は同じような発想をします。

論理の間違いを気づかせるには、いろいろなたとえを使って話をします。

 発端は「25は5の倍数ですか?そういえる理由も考えて下さい。」という田中の問いです。

いろいろな考えや表現がありますが、子どもたちに多い答えは、
「5で割りきれるから、5の倍数です。」や

「25は5に5をかけた数だからです」などです。

ところが、Qさんは、「25は2,4,6,8,・・・18,20・・・と書いてみても、

2の倍数ではありませんし、3,6,9,・・・21,24,27・・・と書いてみても、

3の倍数ではありませんし4,8,12,16,20,24,28と書いてみても4の倍数でもない。

ですから、5の倍数です。」

一生懸命に数を書き連ねたQさんをほめながらも、田中はこういいます。

「でもね。『ない』から『ある』ということにはならないよ。」

こういわれても子どもは、きょとんとするだけです。

「例えばね。河童っている?」と田中。Qさんは、

「いないと思います。」

「それなら、いないことを証明してみて。」と田中は尋ねます。

「見たことないですし。本にも載っていないし、動物園にもいないし。」

「気がつかないかな?『ない』ことは証明できないんだよ。

だって世界中を隅から隅まで調べることは不可能だし、

仮に調べ尽くしたとしても、全宇宙を調べたことにならないし。」


「そうかもしれませんが。それなら河童はいることになりますか。」

Qさんからもっともな問いが返ってきました。

「いや、『ない』から『ある』わけではないのね。つまり河童がいないと証明できないから河童がいるということにはならない。

そういう論理だと、口さけ女もネッシーもデスノートも『ある』ことになってしまう。

『ある』ことを証明したいのなら、『ある』ことを示せばいい。

河童を一匹連れてくればいい。

『ない』ことをいくら示しても『ある』ことにならないのよ。」

「このことには『悪魔の証明』という名前が付いているんだよ。

興味があるなら調べてごらん。」

学校の成績や順位とは関係ない事柄ですが、身につけておかせたい論理思考です。

 

2018年11月25日

子どもの疑問

Dさんが突然「死んだらどうなりますか?」と尋ねてきました。

 ひょっとして、学校や家庭で悩みを抱えて、気にするようになったのかといぶかりましたが、その心配はなさそうです。

どの子どもも成長過程でこのような問いを発します。

だいたい小5~中1くらいで、自分という存在が見えてくる頃です。

大人へのパラメーターでもあるようです。

田中は答えを用意してあります。

いろいろな説を披露して、選択は本人に考えさせる手法をとります。

親御さんの信仰心には気を使う場合もありますが。

田中「死んだら肉体は滅んで、ハイそれまでという考え方が主流かもしれないね。」

Dさん「それでは魂とか、霊などはないんですか?」

田中「人生観や宗教観の違いで考え方が変わるから、まずどんな説があるか知ることから始めないとね。例えば

・霊魂は不滅で生まれ変わりを繰り返す。

・天国や地獄など次のステージに移る。

・生まれる前の状態、つまり「無」に返る。

など千差万別だね。

人類がずっと探求してきたことだし、死ねばわかるとは限らないしね。」

Dさん「先生は、どれが正解だと思いますか?」

田中「先生は、今生きている時間と空間が普遍で永遠だと思うから、死もその中に入っていると考えているよ。」

Dさん「よくわからないです。」

田中「ごめんね。先生も本当はわかっていないんだよ。」


その他よくある質問は、

「運命って信じますか?」

「宇宙人っていますか?」

「夢ってなんですか?」

「時間に始まりと終わりはありますか?」などです。

時間を忘れて子どもと会話に熱中することもあります。

たまには深刻な問いもあります。

「自殺したら浮かばれないって、本当ですか?」

「人を殺して何で悪いんですか?」

「なぜ生きなければならないんですか?」

「そんなつまらないことを考えないで、勉強しなさい」

「大人になればわかります」などとかわしたくなることもあるかもしれません。

しかし、子どもの質問にはまっすぐ向かっていきたいと思っています。

 

2018年11月25日

メールでの入室・退室管理

文書でお知らせしましたとおり、「メールでの出欠管理」をすることにしました。

各自の暗証番号を塾のパソコンに入力します。すると、入室時には以下のメールが保護者に届きます。

「田中塾入室メール」

○○○○さんが田中塾に入室しました。

今日で通塾回数は○○回目です。

6月18日 18:33:54

学習が終了した時には、

「田中塾学習終了メール」

本日の○○○○さんの学習は終了しました。

6月18日 21:12:34

何年も前からこのようなシステムがあることは承知していましたが、

子どもの管理される負担を考え採用は躊躇していました。

しかし保護者からのご要望が複数ありましたので、踏み切りました。

多忙により子どもとのコミュニケーションがとれず、また詳細に観察できないご様子でした。

どうぞご利用ください。

 

2018年11月25日

中3数学「平方と平方根」

中学数学で一番教えるのが難しい単元だと思っています。

新しい概念をもった数ですので、子どもたちの頭の中の領域を広げなければなりません。

教える側に相当のスキルが試されます

。田中が留意している点は、

・「平方」と「平方根」の意味を直感的にわかるまで時間をかける。

・「根」の意味を「もと」だと教える。

・√1, √2 ,√3・・・ √100まで、「整数になる」「a√bになる」「どちらにもならない」の3種類に区別できるようにする。

・「±」をつける場合をはっきりさせる。



田中「-0.5を小数に直すといくつになる?」

子ども「-1/2です。」

田中「-がつくよね。それでは-5を根号をつけた形に直すと?」

子ども「-√25です。」

田中「-がつくのに迷いはないね。」

 

2018年11月25日

Dさんの自信

新高校生Dさんの定期テストの答案が返ってきました。

全科目平均点以上で、数学と英語は高得点でした。

ほっと一息です。

入学前は高校の授業についていけるかどうか、心配していたのが嘘のようです。

 思い返すと中1のDさんは「学校の授業を少しでも理解したい。」と
田中塾の門をたたきました。

小学5年生の頃からわからないまま放置され、自信のない消極的な性格も障害になっていました。

本人も親御さんも相当な危機感を感じていました。

ですので、塾での勉強はさかのぼって復習をしなければなりませんでした。

とにかく時間をかけて基礎学力をつけなければなりません。

本人は大変さやら恥ずかしさやらで苦しむ期間が続きました。

基礎学力が不足している子どもは、一朝一夕には結果が出てきません。

つまずいていた期間と同じくらい時間が必要な子もいます。

時には焦りが見え、Dさんは「私の頭では覚えられない」と嘆き、親御さんも「うちの子は幼少の頃から言葉などを覚えるのが遅く、無理矢理勉強をさせてもかわいそうな思いをさせるだけかもしれません。」と案じられることもありました。

しかし絶え間ない努力と辛抱の末、中3の夏くらいまでかかりましたが、

テストの点数や成績に良い兆しが出てくるようになりました。

そうなると表情までがらりと変わってきます。

自信がありありと表れてきます。

進路の決定では「あの高校は受からないだろう。

万が一受かっても高いレベルについていけないだろう。」と周りの心配をよそに、

本人は淡々と目標に向かって努力を続けていました。

 結果は見事合格し、志望校に通うようになりました。

本人も親御さんも大喜びです。

さらに誉められるべきは、Dさんは受験が終わったあとも緩むこともなく、これまで通りの勉強を続けていました。

ひとたび学習面で苦労し立ち直った子どもは、「努力の大切さ」をだれよりもよく知っています。

最近では「大学に行きたい。」と目を輝かせるようになりました。

 

2018年11月25日

自由と制服

 

県立小金高校では、制服のない高校は敬遠されるとして、2011年度に私服から制服に全員切り替えることにしたそうです。

私服だと家庭の費用がかかる、制服にすると人気があがるというのが理由です。

田中の通った公立高校は私服でした。

現在では強制ではない「標準服」というのがあるそうです。

また、持ち物、頭髪も自由でしたが、全校生徒に乱れた格好、ふさわしくない服装をしている人はいませんでした。

この環境で、高校生としての自主性や個性の表現法を学んだと思います。

これは旧制中学校の伝統を引き継いでいる高校に多く、学園紛争時代に「管理教育」に反発した生徒が、服装を自由にする権利を学校側と交渉の上で獲得したものです。

しかし時代は変化し、生徒から制服を望む声を多くなってきました。

子どもたちは自由に慣れておらず、とまどいを感じるのでしょう。

学習面でもそうです。自分で考え、判断し、行動することが苦手で、依存しないと不安を感じる子が多い気がします。

「先生、何をすればいいんですか?」

「勉強ってどうするんですか?」

「いい学校はどこですか?」

「私は大丈夫ですか?」

個性の尊重などもってのほか、言うなりに管理されたい子どもたちが増えているように思えます。

2018年11月25日

家庭学習について

「うちの子どもは家庭学習ができないのですけれど、どうしたらよいでしょうか?」

と尋ねられることがあります。

正直なところ、お答えできるのは「『家庭学習』はご家庭内のことですので、外部からはどうしようもできません」ということだけです。

少々無責任で申しわけないと思いますが、いつしかそういう結論に達しました。

「塾から宿題をたくさん出してやって下さい」というご要望により、宿題や課題を出すことはできます

。しかし、一日に10分しか家庭学習をできない子どもは、どんな宿題の量に対しても10分の労力しか使えません。

殴り書きのように処置してくるだけです。

それに対して管理する側は、叱り続けることになります。

大きな声で非難したり、つねったり、帰したり、あきれたりします。

それらは一時的につくろう効果はありますが、根本的な解決にはなりません。

叱る側も叱られる側もいやな時間と労力を費やします。

いっそう、できないならできないという前提に立ち、塾での学習を組み立てる方が効率はいいものです。

ある親御さんは、「家庭学習が不可能なので塾に通わせています。」とおっしゃいます。

直裁なご意見ですが、塾での学習に家庭学習が加わるともっと伸びる可能性がある子どももいます。

また、範囲の定められている定期テストでは高得点をとれるものの、学力テストや確認テストでは芳しくない子どもは、明らかに家庭学習が不足していると言い切れます。

子ども側と親御さん側双方の家庭学習ができない理由を列挙してみます。

子ども側

・眠くなる。

・集中できない。

・面倒くさい。

・隣の部屋のテレビがうるさい。

・親から「勉強しなさい」と言われ、やる気をなくす。

・教材や教科書が学校にある。

・何をしていいかわからない。

・勉強する意味がわからない。


親御さん側

・子どもが疲れている。

・勉強を教える時間がない。

・自分が教わった頃と解き方が違う。

・部屋が片づいていない。

・すぐに怒ってしまう。

・親自身が疲労している。

・何をやらせていいかわからない。

・勉強させる動機が見つからない。

それぞれの言い分や事情はありましょうが、家庭内における学習する雰囲気と家族同士の協力が鍵だと思います。

 

2018年11月25日

Pさんの強情

小学生のPさんは、日々確実に自分のペースで学習を進めています。

現況では学習習慣と基礎力を定着することに重きを置いています。

しかし、性格的に人と比べて「できた、できない」など気にする傾向があり、それが学習の妨げになることがあります。

本来時間をかけなければならない単元より、「あの子と同じプリントがしたい。」

または「あの子よりもっと難しい問題を解きたい。」と敵対心をあらわにすることがあります。

その姿勢は積極的で一概に否定されるべきではないのですが、いつも飽きっぽくそのあとの辛抱が足りません。

自分の言動に責任をとることと、コツコツ努力することを今のうちに体得して欲しいものです。

以前「どうしてもこの理科の問題集をやりたい。」と言ってきたことがあります。

理由はわかりませんでした。

問題のレベルが高く、投げ出すことは明らかなので「今は理科よりもっと算数の計算をしなければならないよ。この問題集は難しすぎるし。」と説得しましたが、どうしても「やるんだ」と強情をはります。

無理矢理拒否するのも何かと思い了解しました。ただ、ひとつ条件を出しました。

「途中で投げ出さず、最後までやること。」

Pさんと固い約束をして進めましたが、案の定、しばらくして飽きてきます。

「先生、やっぱりこの前の算数のテストが悪かったから、理科をやめてそっちをがんばります。」などといいわけを言ってきました。

しかし変更は認められません。

「最後まで仕上げるという約束はどうなりますか?」

「でも私には難しすぎるし・・・」

「難しすぎることは初めからわかっていたでしょう。」

しばらくすると理科の宿題を放棄するようになりました。

「宿題は先生との約束です。すぐに家に帰ってやってきなさい。」と叱ることもしばしばでした。

それからいくつかの確執がありました。

結局は難しい問題の割愛を許しましたが、最後までやり遂げさせました。

Pさん、田中とも相当なエネルギーを費やしたイベントでした。


勉強とは単なる知識の伝達ではありません。このようなやりとりを通して、Pさんにはいくつか気づいて欲しいことがあるのですよ。

 

2018年11月25日

Eさんの計算式

現時点で、もっとも田中塾に通い続けているのはSさんです。

小4から今日まで6年目を迎えています。

過去の最長記録は小4から通い始め中学、高校、浪人とちょうど10年間のKさんでした。

さらに小5から通い始め中学、高校までは塾生として、その後の大学4年間はスタッフとして、丸12年間在籍したMさんもいます。

Mさんは去年の秋、田中を結婚式に招いてくれました。

しかし、長期間田中塾に通える子どもばかりではありません。

Eさんは中3の春から通い始めました。

すると高校受験終了までの1年弱しかお預かりできません。(※現在特殊な事情以外高校生はお預かりしていません)

その限られた期間で、何をEさんに伝えられるかを選択しなければなりません。

田中が優先第一位にしたのは、「自分に自信を持つこと」と「やればできるということ」です。

これからのEさんの人生で大事にしてもらいたいモットーです。

その意味を学習を通じ一緒に経験します。

具体的には「どんな計算でも解けるようになること」を目標にしました。

田中がEさんの現時点の能力、性格などを考慮して選びました。

まず、これまで習った計算を全て復習することから取り組みました。

理解できていないところを掘り起こし、修復する作業です。

そこで田中はEさんに徹底させた約束があります。

・「途中式を必ず書くこと」

・「一行にひとつの作業しかしてはいけないこと」(移項して通分するなどの複合作業を禁じます)

ひたすらそれらルールを辛抱強く続けた結果、Eさんは中学3年間で習う計算を解けるようになりました。

毎日コツコツと、一行一行積み重ねれば必ず解答にたどり着けることを実感してくれたはずです。

最近では文章問題にも積極的に取り組めるようになりました。

そして今やこのルールを外す時が近づいてきました。次の段階に進みます。それは、

・「効率よく計算するために、できるだけ行数を短くすること」

そろそろどこの過程を省略できるかを自分で判断できる頃です。

「全ての計算を自分は解ける」ことを自信に、次は関数や図形に取り組み、さらに、他の教科や他の事柄にも積極的に目を向け、自力で切り開いて欲しいものです。

Eさんの「突破口」は、ぱっくりと開きましたよ。

 

2018年11月25日

Fさんの近況

入塾して数ヶ月過ぎたFさんの近況報告です。

中学入学後、初めての定期テストの結果にびっくりなされた親御さんが、田中塾の戸をたたいてきました。

小学生の頃、まとめテストなどの結果は悪くはなく、学習面で心配されていませんでした。

しかし基本的な学習姿勢と方法が身に付いておらず、なんとなく勉強してなんとなくテストができていたようです。

このような子はだんだん多くなってきました。

小学校の成績表やテストでは、子どもの学力の実態が見えにくくなっています。

その被害は、中学にあがってからの本人が背負うことになります。

Fさんを観察してみると、学習能力に劣るわけではなく、

これまでの学習スタイルを身につける機会がなかったのが主因のようです。

田中が当初指示したことは、

・ちゃんと座って姿勢を正すこと

・鉛筆をしっかり持つこと

・字をていねいに書くこと

・言葉遣いを直すこと

 本来では、早い段階で身につけていなければならないことです。

 次に矯正したことは

・自分が何をしているか考えること

・ノートを使えるようになれること

・暗記できたか自分で確認できること

・集中できなくなった時に、自分でコントロールできること

まだ発展途上ですが、だんだんそれらができるようになってきました。

それにつれ計算や英語の読み書きができるようになってきました。

本人は理解できるようになり、勉強がおもしろくなり始めました。

しかし、やっとFさんはスタートラインに着けただけです。

つまり勉強する以前に不可欠な「姿勢」を身につけられただけです。

費やした期間は数ヶ月ですので、短期間で済んだと言えるでしょう。

そしてこれからは、勉強の「しかた」を教えることができます。

まだ先は長いですが、向上心がありますので徐々に伸びてくれると思います。

 

2018年11月25日

中3英語「関係代名詞」

「関係代名詞」は中学英語の中で最難関の単元です。

将来の高校英語のことを考えても、ないがしろにはできません。

田中塾では理解がスムーズにできるように日本語からの練習14枚から入ります。

「その踊っている女の子」

「その女の子は踊っている」

これら二つの違いを感覚的につかまないと後々混乱してきます。

教えるコツは

・代名詞の格を完全に復習する

・最初に「先行詞」を見つける習慣をつける

・「関係代名詞」文と文をつなぐ「接着剤」の役割の着目させる

以上です。

 

2018年11月25日

Mさんのテスト勉強

中学生のMさんのお母さんと面談で、テスト勉強について話し合いました。

こまではテストなどはどこ吹く風、とんちゃくすることはありませんでした。

しかし最近改善された点は、テスト範囲表を渡されてからの準備に少しは積極性が出てきたことです。

ご家庭での漢字練習や社会のワークなどの暗記作業も効果が出てきました。

今後も手取り足取りの指導が必要ですが、留意すべき点を上げておきます。

・学校授業を含め、他者の話を聞く姿勢の重要性を繰り返し訴えること。

・本人が「わかったこと」は、まだ「わかったこと」になっていないことを気づかせること。

・いろいろな人の助言を聞かせ、勉強方法をまねさせてみること。

・たくさんほめてやること。

特にMさんを「ほめる」ことは、大きな効果がありそうです。

田中は「ほめる」時には、ただ一途に「ほめる」ことにしています。

「ほめる」ことに専念します。

ですので成績があがったときに、

 「これで満足しないで、次をめざしてごらんよ」

 「やればできるのだから、もっとやればもっとできるよ」

などとほめついでに、カブトの緒をしめることはしません。

経験の上、そうなりました。

性格や思春期など時期的な問題も重なり、急変は期待できないかもしれません。

しばらくは、Mさん自身のありのままの姿を見せ、自分から「これではいけないから、

何とかしなければ」と気がつかせるような対処が必要です。

他のご家庭でも多いのですが、突発的に感情的に叱ることも手段です。

しかし、それを恒常的になさるのは逆効果です。

遠回りでも、本人の内側からわき上がる環境を整えることしかできないような気がします。

例えるなら、芽が出やすいように適度な水、温度、土を準備するようなものです。

 

2018年11月25日

いい学校とは? ②

親御さんからは「田中先生、いい学校を紹介して下さい」とよく尋ねられます。

しかし「いい学校」の定義が難しく、田中の知っている情報は、親御さんのそれと比較して多少有利だとしかいえません。

せいぜいは、長年の学校の変遷と実際通った卒塾生や親御さんの報告や感想を耳にする程度です。

そこで簡単に計る基準は「偏差値」ですが、学年300人程度の規模では、

上下10、つまり偏差値「50」の学校では、40~60くらいまでの成績分布があります。

ですので「40」の子が入試制度を有効に使い、合格することは可能です。

そこで勘違いしてはいけないのは、「50」の入学したからといって、自分の実力が「50」になったわけではありません。

親御さんから見ても、子どもの学力以上の偏差値の学校に入学させたからといって、それは「いい学校」に入れ、受験が成功したことにはなりません。

また、田中の観察と感触から得たのですが、私立の偏差値と公立の偏差値では、重みが違います。

公立のほうが3~5高いと考えています。

ですから、偏差値55の私立A校と50の公立B校とは、入学難易度が同じです。
 
もちろん偏差値が高く、大学進学実績が優秀な学校は、「いい学校」と称されるべきです。

しかし子どもに合わなければ、「絵に描いた餅」にすぎません。

入学後、いい先生や友だちと出会い、人生において成し遂げたい事柄を見つけ、将来につなげることができるような時と場所を、「いい学校」と呼べるかもしれません。

「一期一会」みたいなものだと思っています。

 

2018年11月25日

家庭教師の探し方

いろいろな事情で、子どもに家庭教師をつけたいという相談を受けることがあります。

教えるということは、マンツーマンだから効率的であるわけではありません。

また問題の答えを教えることはたやすいのですが、問題の解き方を教えられるようになるために、たくさんの経験と研鑽が教える側には必要となります。

しかし、勉強をしてくれる随伴者の役割を求める場合には、ある効果は期待できます。

一般的には、大学生(学部生・院生)に頼むことになるのですが、家庭教師仲介業者や個別指導塾を介すると、人件費(学生さんの収入)の2倍程度の費用がかかります。

そこで手間ひまはかかりますが、低コストで適切な方法をお知らせします。

・「大学の学生課に委託する」

近隣の大学におもむき学生課を訪れます。

職員にその旨を伝えると所定の用紙がありますので住所、連絡先、曜日、科目、時給など記入します。

時給相場などは職員に尋ねると丁寧に教えていただけます。

すると募集を見た学生さんから「○○大学学生課の紹介ですが・・・」と連絡が入ります。

実際にその学生さんと面談し詳細をつめます。

お願いするかお断りするかは即答せず、後日の連絡で構いません。

相性のよい学生さんとの縁があるまで、何度も面談されてもよいでしょう。

後日、採用・不採用の報告は学生課へする必要はあります。


・「近所の不動産屋に尋ねる」

 初石駅周辺は、近隣大学の下宿アパートが多く集まっていて、全国各地からの学生さんが住んでいます。

毎年3月を過ぎると下宿探しに学生本人と親御さんが不動産屋巡りをしています。

仲介する不動産屋さんも、借り手として信用に足る人物なのかと、しっかりと観察しています。

ですので、「あそこのアパートを紹介した学生さんは、真面目で性格のいい子だ」などの情報をたくさんもっています。

また、ご家庭に学生さんが来て勉強を教えてもらうスペースがない場合は、

学生さんのアパートで教えてもらえないかの交渉も可能です。

 
以前でしたら、銀行の掲示板を利用する手がありましたが、掲示板の存在自体がなくなっているようです。

 

2018年11月25日

ゲーテ格言集

一日の授業が終わって、最後の子どもたちが帰り支度をしている頃、DさんとEさんが文庫本を差し出しこう尋ねてきました。

「先生、ここの文章はどういう意味ですか?」

見ると、塾の蔵書の一冊である「ゲーテ格言集(新潮文庫・高橋健二訳)」を開き、あるページを指しています。

Dさんは最近帰りにこの本を読んでいることには気がついていました。その箇所とは・・


   われわれの最も誠実な努力はすべて、

   無意識な瞬間に成就される。

   バラが太陽の輝かしさを認めたら、

   どうして咲く気になるだろう?

          (「温順なクセーニョン」より)

なかなか解釈が難しいところですが、試みてみました。


「DさんもEさんも、部活で一生懸命努力しているでしょう。どうしてそんなにがんばれるの?」

 「・・・」

「先輩のように強くなりたいとか、レギュラーになりたいとか、あの子には負けたくないとかじゃないの?」

「そうかもしれません。」

 ゲーテは、『努力は結果で報われるのではないよ』と言いたいんじゃないかな。

つまり試合に勝ったときやレギュラーに指名されたときだけ、これまでの努力の目標が叶ったのではなくて、

毎日の練習の中で毎回毎回努力の代償を受け取っているのよ。」

「でも強くなりたいですし・・・」

「それなら、勝てなかったらそれまでの努力は無駄になるの?」

「いや、そんなわけではありません」

「練習できついことはあるけれど、みんな一緒だという感覚は持てるし、泣いたり笑ったりドキドキしたりその瞬間を楽しんでいると思うよ。」

「わかるような気がします。それでは、後半の『バラが~』の部分はどうですか?」

「もし同じ部活にプロ級の天才選手がいたとしよう。太陽のような存在ね。その選手と自分を比べると、どんなに努力をしても勝てるどころか足下にも及ばないと考えてしまう。そうしたら、どうする?あきらめて部活をやめちゃう?」

「いいえ、続けると思います。だって部活は楽しいですから。」

 バラはどんなにがんばっても太陽のようには輝けないけれど、バラらしくは咲けるのね。バラは誰かに評価されたいのではなく、自分が咲きたいから咲く。そしてその瞬間はバラにとっては、幸せなはずよ。」
 
DさんとEさんの顔つきを見ても、わかったようなわからないような。

これからもまた、解釈の疑問点を尋ねて下さいね。

「ゲーテ格言集」を読み抜こうという気持ちは素晴らしいですよ。

この本の隣には同じ作者の「ファウスト」が並んでいます。

まだ読むには早すぎるですが、題名だけでも記憶しておいて下さい。
 
今のおすすめは、やはり「若きウェルテルの悩み」ですかね。

 

2018年11月25日

ストレスと反抗期の違い

Aさんは、ただいま反抗期真っ盛りです。

子どもから大人への過渡期の不安定な時期です。自我ができ始め、自分の印象を良く思われたいので、背伸びをしたり意地を張ってみたりしています。

思い通りに行かないとそのイライラをお母さんにぶつけているようです。

親を否定することで偉くなったような気がするのでしょうが、外ではまだまだ自分に自信がなく小さくなっています。

家庭内と家庭外とのギャップが激しいのも典型的です。

反抗期は思春期特有のはしかみたいなもので、こじらせなければ心配することはないと思います。

かえって感情的に叱りすぎたり、放任するのは逆効果で長引かせる可能性があります。

子どもは、反発しながらも毅然とした親の態度をよく見ています。

身近で一番の見本ですから。

しかし、イライラの症状が似ているものの全く違うのは、「ストレス」状態にある子どもです。

例えば仮にBさんという子どもがいて、
毎日「面倒くさい」「やる気がない」とダラダラしていたとします。

親は反抗期だと判断しますが、実は大きなストレスを抱えた故の不安定状態である場合があります。
 
おおざっぱに子どものストレスの原因は二つあります。

ひとつは「人間関係」で、ほとんど友だち関係や部活での先輩とのぎくしゃくに悩みます。

親との関係や先生方など、大人との関係はほとんど原因になりません。

二つ目は、「疲れ」です。

何事にも体力的に度を超すとイライラしがちです。

不思議なもので、本人は遊んでいて楽しいと感じながらも

疲れを貯めていることもあります。

例えばテレビゲームや深夜アニメ、パソコンに没入する子です。

眼の下クマができて、集中力がなくなりますのですぐにわかります。

また、部活や学校行事や習い事で、端から見て充実した生活を過ごしていると思われていながら、暗い顔をしている子どもがいます。

いろいろ無理して、本人にも気がつかないうちに疲れによるストレスが重なってきているのでしょう。

対処法としては、一つ二つ生活の負担を外して楽にしてやることを勧めています。

今どきの子どもには、尻をたたいて困難に立ち向かわせ、成長させるという手法は合わないと思います。


思春期特有の反抗期なのか、またオーバーワークによるストレス状態なのかの診断は必要です。

その子を観察して、反抗できるだけ精神が成長をしているかどうかを基準にするのはひとつの方法だと思います。

まだ幼い子はいやなものから「逃避」はできても、「反抗」はできないのからです。

 

2018年11月25日

満足してしまう子ども

「追い込み」という言葉があります。

受験直前になって一心不乱に勉強をすることです。

「ラストスパート」と同義です。

 Fさんは受験生で「追い込み勉強」の真っ最中ですが、田中から見ると勉強量は全く足りません。

「最近勉強している?」と尋ねると「はい、しています」と自慢げです。

塾での追い込み勉強に質、量ともすっかり満足してしまっています。

ですので、家庭学習でより多く勉強をするという動機がありません。

ご家庭で親御さんが「もっと家でも勉強しなさい」忠告されているようですが、

「塾でがんばっているから、もう必要ない」と反発するそうです。

このようなタイプは、これまで勉強をしてこなかったけれど、受験が近いから塾に行って勉強をしようという子に多いです。

少しの量と時間でやり遂げた満足感を得てしまいます。

勉強の習慣がない子と言えます。

反面Gさんのように習慣づけができている子は、当たり前のように塾でも家庭でも学校でも進められます。

「これくらいで大丈夫だろう」という線引きをすることはありません。

毎日歯を磨くように勉強できます。

それではFさんのようなタイプをどう改善したらいいでしょうか。

「三つ子の魂百まで」と言われますが、幼い頃身につけた性格や習慣はなかなか変えられません。

子どもに習慣を付けるより、
一度付けられてしまった習慣(勉強しない習慣)を外す方が大仕事です。

残念ながら田中には効果的な方策がありません。

せめてできることは、「勉強が足りないね」と言い続け、Fさんが自分自身に気づかせることを促します。

そして、「もっとこうすれば、こうなるのに。」と達成可能な身近な目標を示します。
 

 

2018年11月25日

自分のせいではない

年度がわりのこの時期には、卒塾生たちが近況を報告に来てくれます。

学校の成績などから進学、就職、転職、結婚などの人生の転機など様々です。

その一人を紹介します。

高校生のRさんが、もらったばかりの成績表を見せに来てくれました。

相当な好成績です。

本人のうれしそうな顔は、こぼれんばかりです。

生徒会などの執行部の仕事などもこなし、充実した高校生活を過ごしているようです。

来年は大学受験を目指しやる気満々、将来のビジョンを含めた計画も語ってくれました。

Rさん、何という好青年に成長したことでしょう。

お預かりした頃のRさんのことを思い出しました。

成績は低位、お母さんがすがる気持ちで塾の門をたたいてきました。

学習能力が劣っているわけではないのですが、習う姿勢や聞く耳が全くない子でした。

反抗的な気質が原因ではないので、なおさらやっかいでした。

自分の考えや行動はいつも正しいと考えていました。

自己中心的性格の極度に強い子でした。

ですから、成績が悪い理由を自分以外のものに押しつけていました。

「先生の教え方が悪いせいだ」

「教科書がわかりにくいせいだ」

「親の遺伝のせいだ」

「勉強部屋のせいだ」

「運が悪いせいだ」

「育った環境が悪かったせいだ」

田中の造語では、このようなタイプを「せいだ病の子」と呼びます。

「蝶よ花よ」と甘やかされた子や、人と交わる社会性の機会が少なかった子に多いような気がします。

対処法は、「もしかしたら自分のせいかもしれない」と気づかせ、「他人のアドバイスを聞いてみようかな」、とりあえず「いろいろ素直に従ってみようかな」と徐々に自己改革を促すことです。

しかし、一筋縄には行きません。

無駄ではないですが、言葉による説得や強く叱ることは全く通用しないタイプです。
 

田中は、「せいだ病の子」に対しては長期戦の覚悟をします。

当初は子どもの言い分を100パーセント同調することから始めます。

感情を抜きに、冷静を保ち、

「ふんふん、あなたの言うとおりだね」と、一度全てを取り込んで認めてしまいます。

敵ではないことを伝えて、安心感、信頼感を築くことから始めます。

対話の土台作りからです。

そして徐々に、「ふんふん、その通りだけれど、ここだけは違うような気がするね」と90パーセント譲り、10パーセントはこちら側の意見を混ぜます。

さらに「なるほどそうとも言えるけれど、こういう考えもあるね」とじわじわとこちらの意見に耳を傾かせます。

自分の姿や考えを客観的に吟味でき、他者のそれらを認める視点を育ませます。しかし目に見える改善までには相当な時間がかかりますので、途中で「みんな田中のせいだ」と捨てゼリフをはいて離れる子もいます。
 
 Rさんの親御さんと田中で、しばしば進捗状況を報告してきたのは幸いでした。

成績順位に大きな変動は見られませんでしたが、

将来を見通して手作業でていねいに解く「計算力」と辛抱強く考える「思考力」は徹底させました。

それが今では機が熟し、花開くときになりました。

Rさんが帰り際にひと言、

「先生、高校生活が楽しいです。ありがとうございました。」

田中は返答できませんでしたが、

「Rさん、こちらこそありがとうね。」という気持ちでいっぱいですよ。教師冥利に尽きる経験をさせてくれたのよ。

 

2018年11月25日

こうちゃんが来ました

こうちゃんが久しぶりに顔を見せに来てくれました。

田中塾の開設時、小5で入塾し、夏はいつも半ズボンの坊主頭だった子です。

それから高3まで通い続け、大学生になってからは、スタッフとして4年間田中塾を支えてくれました。

そんなこうちゃんは今や一人前の社会人、もうすぐ父親になるそうです。
 
今回の訪塾は、地方公務員であるこうちゃんが、来年度職員募集パンフレットにモデルとして登場することになったとの報告でした。

そこで土木造園の仕事を具体的に紹介しています。

具体的な事業内容や日々の仕事、または地域住民との住民との交流する姿などです。

りりしいポーズの写真が掲載されています。

思い返してみると、こうちゃんは引っ込み思案のいつも自信のない子でした。

緊張すると眼にチックがよくでました。

プレッシャーに弱いので、リラックスさせるには工夫が要りました。

不器用で、勉強の方も決して得意なわけではありません。

しかしこうちゃんはあきらめずに最後まで「がんばる」子でした。

残されてもじっとプリントを見つめ、わかるまで鉛筆を離しませんでした。

そのような地道な努力の結果、高校・大学進学、就職試験と続けて大輪を咲かせました。


そんなこうちゃんが、仕事で携わるスカイツリーについててきぱきと説明してくれました。

その弁舌の滑らかさには目を見張るものがありました。

隔世の感です。
 

 

2018年11月25日

田中の失敗③

今回の失敗は「子どもたちに無駄な勉強をさせすぎた」という話です。

「失敗」と言うより「未熟」から来るものです。

田中塾を開設したのは、もう20年も前です。

学生時代終了後すぐの開塾でした。

18歳の春からアルバイトとして塾の教壇に立っていましたので、各教科を教える経験と自信はありました。

しかし、自分の経営する塾で長期間子ども預かり、総合的に受験指導をすることには未経験であり、責任とプレッシャーは重いものでした。
 
当初田中ができることは、情熱を持って、厳しく、大量に勉強をさせることしかありませんでした。

現在とは異なり、授業開始時刻を分単位で設定していて、厳格に子どもを管理していました。

少しでも遅れると何かしらの罰を与えていました。

このころの子どもたちは、学校終了後、着替えたりシャワーを浴びたり食事をする余裕なく、吹っ飛ぶように塾に駆けつけてきました。

宿題の量も多く、成績管理は厳密でした。

宿題を忘れるものなら大変で、体育会系の罰が待っていました。

田中が 保護者に「家での学習はどうなっているのですか?」とクレームを付けたことも多々でした。

 授業時間は長く、午後10時位になると「お帰り問題」というのを全員に配り、できた子どもから帰宅させていました。

みんな必死です。

なぜなら30分以内に終わらないと次の日は、「呼び出し」をかけられてしまうからです。

規定時刻間際になると、泣き出す子どもがいました。
 
この学習方法では、短期間で成績が上がる子がいますが、

それは瞬間的なもので、長いタームで見ると労力の割には得るものが少ないです。

それに気がついた後は少しずつ勉強以外の管理を外し、子どもの無駄な学習負担を減らしていきました。

結果的に子どもに余力が生まれますので、のびのび学習できるようになります。

教師として未熟な時は、学習効率というものを考えることができず、

補うためには、「量」と「情熱」しかなかったのです。

無茶な量の宿題をポンと出して「明日までやって来なさい」など平然と課しました。

根性試しや受験生としての自覚を促す洗脳以外の用を足さなかったかもしれません。

また、よく「暗記しなさい」と子どもに命令しました。

教える力量がない教師ほど、体系的に理解させられないのでそう言います。

今振り返ると、当時の子どもにはずいぶん非効率な指導で、いろいろ時間やエネルギーを浪費をさせたと申しわけない気がします。

しかし、皮肉なことに田中塾は熱心な塾として知られるようになりました。

また、そのような雰囲気だったからでしょうか、塾生は男の子ばかりで、

「田中男塾」という別名も頂戴していました。

現在では試行錯誤を重ねた結果、ひとつの到達点に立てた思っています。

各子どもに対して、どのくらいの量を、どのタイミングで、どれくらいのスピードで教えればより効率がよく負担が少ないかを、経験上体得することができました。

確かに「緊張」「恐怖」「競争」のムードは即効性があり、それらの場に適する子どもはいます。

しかし苦手な子どもには、能力向上を阻害することもあるので、取り扱いには注意が必要です。

しかし田中の教育理論・方法論もまだまだ未熟です。

改良の方向性は見えているつもりです。

いっそうの精進と時間を日々費やしたいと思っています。

 

2018年11月25日

10年越しの合格発表

昨月下旬のある日、看護士国家資格試験の発表がありました。

夕方Sさんが5年ぶりに塾に来ました。

「先生、やっと正看の資格が取れました!」と満面の笑みで報告にしてくれました。

「ついでですが、この子は私の子どもです。」と恥ずかしそうに、かわいい赤ちゃんを抱いていました。

「合格したら、絶対一番先に田中先生に報告に来ようと思っていました。」

Sさんの感激は痛いくらいに伝わります。

これまで公私に渡り苦労して来た子です。

田中がSさんに初めてあったのは、中学にあがったばかりの春でした。

お兄ちゃんも田中塾に通っていたので、そろそろ妹も通塾させようということでした。

兄は「先生、妹もよろしくお願いします」と、頭を下げて塾に連れてきました。

ところが、直後に父親が急逝するという悲劇が起こってしまいました。

柏の葬儀場で、真新しい制服を着て小さく泣いているSさんの姿は、未だに脳裏を離れません。

その後3年間、Sさんは塾に通いました。

細かいことに気がきく、情の深い子で、コツコツ勉強してきました。

順調に学力も上がっていきました。

ところが、高校受験の半年前くらいから精神的に難しい時期に突入してしまいました。

典型的な思春期ですが、自分でも制御ができないレベルでした。

受験校選びでは、親御さんや周りの忠告に耳を傾けませんでした。

田中が「この学校は無理だろうね。」という高校の受験に執着しました。

Sさんは、「自分の受験ですから自分で決めます。責任も取ります」ときっぱりと言い切りました。

結果は不合格。

滑り止め校を受験していないので、進学する学校がありません。

それから、二次募集のために塾で猛勉強をしました。

後にも先にも二次募集で進学したのは、Sさんだけです。

それから高校を卒業して何年かたった頃に、Sさんは塾のドアを再びたたきました。

「先生、看護学校に入学するために、もう一度数学と英語を教えて下さい」

聞くと何となく高校を卒業し、何となく専門学校に入り、

そのまま社会に出たものの、自分の人生と将来に不安を感じたそうです。

子どもの頃の夢だった「看護士」になりたい、

また資格を習得して職業人として自立したい、と強く思ったそうです。

もう一つの動機に母親の体調が思わしくないというのもありました。

学生だった頃に勉強をないがしろにしてきた自分に、大きな後悔もしています。

そして、昼間の時間に田中と看護学校合格を目指して、再び勉強することになりました。

時間的ギャップがありましたが、勉強に対する基本は中学で徹底的に身につけさせてありましたので、その基礎にもう一度応用を乗せるだけです。

さらに真剣度と集中力は、以前とは格段に違いますので、真綿が水を吸収するように学習は進んでいきました。

この調子なら受験に間に合うだろうと思っていた矢先、今度はSさん自身に大きなトラブルに巻き込まれまてしまいます。

詳細は語れませんが、学習は中断、その年の看護学校受験もあきらめざるを得なくなりました。

「勉強したいときに、勉強できることは幸せなことですね。」

しかしSさんはあきらめず、仕事をしながら勉強を続け、念願の看護士の資格を手に入れました。並大抵の努力ではなかったでしょう。

そして近隣の病院に就職も決まりました。

Sさんのように世間の荒波に飲まれた末に、再チャレンジを決意し、

看護士の資格を手に入れられた卒塾生は3人目です。

田中塾の特別講座です。

 

2018年11月25日

知恵の輪ブーム

田中塾でのあやとりブームは終わりました。

いくつかのご家庭では、お母さんやお祖母ちゃんにあやとりの技を伝授されて、ずいぶん得意になった子どもがいました。

ただ遊んでいるばかりでなく、あやとりで三角形を作り、鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形と変化させます。

四角形では、正方形から初め、長方形、平行四辺形、ひし形と変化させ、それぞれの図形の性質を理解するのに役立ちました。

等積変形の学習にも便利です。

ある日何げなく知恵の輪をいくつかおいてみたところ、何人かの子どもたちが興味津々、熱中していました。

知恵の輪と言っても針金を曲げた簡易なものではなく、大人のマニアがいるほどの「キャストパズル」という本格的なものです。

子どもたちの取り組む姿を見ていると、様々な反応が見られます。

子どもの性格が凝縮して如実に表れてきます。

日頃の学習する態度も同じです。

・2分位であきらめ「先生、やり方教えて下さい」とすぐ依存するMさん。

・できないとわかると力ずくで何とかしようとしたKさん。(壊しました)

・最初にじっと観察して、納得した後に挑戦するSさん。

・外した後、どのようなしくみなのか何度も検証するRさん。

・偶然にも解けると「もうできた」と満足するTさん。

・反対に何度も何度も外しては戻しを繰り返し、完全に納得するまで続けたNさん。

・知恵の輪を考案した人に感動したのはSさん。

また解き方には手順を地道に積み重ね正解にたどり着くのと、

直観的ひらめきで解くものがあります。

子どもは性格通りの解き方をするのを見て納得いくところがありました。

田中が日頃観察したことの検証にもなっています。

 

2018年11月25日

宿題の管理

田中塾では宿題を各々の子どもに課しています。

一斉に同じレベル、量を出すということはしません。

現時点で適切であろう課題を吟味して出しています。

しかし、どうしても宿題をすることができない子どもがいます。

本人たちはズルをしているとか、さぼっている自覚がない子です。

宿題という概念がなく、宿題をする習慣もありません。

しないことによる罪悪感もないです。

宿題は家庭学習の前段階ですので、早い時期に慣れさせなければなりません。
 
そのような子どもには、「宿題チェックシート」を発行し、

記入させ、管理することにしています。

次回までの宿題の内容、宿題をした日にち、確認印をチェックします。

今渡されているのは三人です。

Aさんは、「宿題チェックシート」を付けるようになって、2ヶ月くらいから効果が出ました。

漢字プリント2枚、ことわざプリント2枚、算数1枚の量をきちんとできるようになりました。

さらに、宿題は塾に来る前日までに終わらせることを勧めていて、それも守れるようになりました。

字はていねいで、時間をかけて問題をじっくり解いてきています。

家庭学習の基本態勢ができてきました。

そろそろ「宿題チェックシート」を中止してもいい時期に来ています。

Bさんは、3ヶ月くらい続けていますが、やっとここ最近になって、

宿題を提出できるようになりました。

ひとつの前進です。

しかし、塾に来る前の短時間で形だけ整えてくるやっつけ仕事です。

習慣づけさえできれば、内容は日増しに整ってきそうな気がします。

もう少し継続しようと思います。

Cさんには、二人以上の長期間「宿題チェックシート」の記入と提出を課していますが、未だできません。

叱ったり、家に帰したり、反対におだてたりしても効果なしです。

「宿題チェックシート」を紛失すること数回、そのたびに再発行しています。

塾に来るたびに、Cさんは前回田中から課せられたことを意識に上らせることができません。

いろいろ観察してみると、Cさんは年齢の割には「時間の概念」が未発達であるのではないかと考えています。

子どもは「今」の瞬間を生きていて、成長するに従って、「過去」や「未来」をイメージできるようになります。

年齢を重ねることによりその範囲は広がっていくのですが、広がりのスピードが遅い子もいます。

ですので概念付けが未熟な子には、「来月のテストの準備をしなさい」「今から受験のことを考えなさい」「職業のことを視野に入れなさい」という忠告は、子どもにとっては想像ができず、内容を持たないものになるでしょう。

同じく、「以前、お母さんの言ったとおりになったでしょう」と「過去」への反省を促しても同様です。

大人は、「過去」「現在」「未来」へとつながる因果関係を経験上知っています。

しかし子どもは「現在」と「ちょっと未来」の範囲の中に生きています。

簡単に子どもの時間の概念をチェックするには、

「この前の日曜日に何をして遊んだの?」

「去年の夏休みにどこへ行ったんだっけ?」

「今度の大事な試合はいつなの?」など

近い「過去」や近い「未来」に対しての質問をすることです。

時々親御さんから「この子は計画性がない子です」と心配され相談を受けることがあります。

主因を田中は計画を立てる前提である「時間の概念」の欠如だと考えています。

「時間の概念」は周りが直接言葉や態度で教えることができません。

自らが生活の中でいろいろ経験するものだと思います。

当分の間、Cさんと田中は、同じ時間軸に合わせたペースで学習を進んでいきます。

 

2018年11月25日

定期テストの準備 ①

もうすぐ、中学にあがったばかりの子どもにとっての初めての定期テストがあります。

毎年この時期には、子どもにテスト準備の手ほどきをします。

小学生の頃は成績がよかった子が、中学生になり不調になるこがあります。

いわゆる「中学生の勉強法」への切り替えができないのが理由でしょう。

スポーツもそうですが、初心者には早めに定番の「型」を身につけさせることが上達への近道です。

田中塾での新中1向けのテスト準備を紹介します。

・「試験範囲を一緒に眺めてみる」
 
子どもは試験範囲表が何を意味し、どう取り組むべきかをまだ把握できていません。

いつテストがあり、何の教科のテストをするかなどの事実をイメージさせることから始めます。

要求されているポイントは何か、そのためにどのような作業をこなすべきかを認識させます。

・「範囲表の内容をひとつずつ攻略していく」
 
今までのテストと違い、授業で習わない内容も出題されることを伝えなければなりません。

子どもは「先生、このページは授業で読んだだけです」や

「このページは授業で抜かしました」と言います。

だから出題されないというわけではないので、範囲に入っている限り準備は必要だということを言い聞かせます。

・「数学の計算は暗算をさせない」

子どもは「暗算できることは、頭がよくて楽だ」と考えています。

しかし計算の「型」ができないまま中2になると、連立方程式でほとんどの子がつまずきます。

自分では正確に暗算しているつもりですが、一行一行積み重ねてやっと正解にたどりつくような問題が解けなくなります。

ですので「暗算は遅くて間違えが多いものだ」と考えを転換させなければなりません。

田中の口癖は「計算は頭でなく、手でするもの」です。

また、計算はノートにきっちりさせます。

区切れの線を引き、問題ページ、問題番号をしっかり書かせます。

また、行と行や列と列との間隔に留意させ、適度な数字や文字の大きさ、「+」「-」などの記号も明確に表すようにします。

特に字を小さく書く子は、自分の字を誤認する傾向がありますので、それも早めの矯正が必要です。

「答えが合っていればよい」という短絡さや横着さは徐々に自分を追いつめていきます。

ケアレスミスが多い子ほど、ていねいさが欠如しています。

・「社会や理科のまとめノートを作る」

田中塾では、「一問一答」形式のノート作りを勧めています。

教科書、資料集、学校ノートを参考に、自分が先生ならどの問題を出すかを想像させます。

「問 最も古い人類である猿人はいつ頃どこに現れましたか?」

「答 400万年前にアフリカ」

「問 なぜ猿人は森林から草原に暮らしの場を移したのですか?」

「答 環境が変わり森林が少なくなってきたから」

「問 顕微鏡の倍率はどのように決めますか?」

「答 接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率」

「問 胚珠が子房で包まれている植物を何と言いますか?」

「答 被子植物」

社会・理科では図表の出題が多いので、その対策として教科書や資料集をコピーし、ノートに切り張りさせます。

例えば、「マンモス」「ナウマン象」「オオツノジカ」の画像を張り、

それぞれの名称を答えられるようにします。

このような作業を繰り返すと、学校授業にたいして望む姿勢や集中力が養われます。

また、テストに出題されそうな箇所に気付く直感力も身に付いてきます。

市販の暗記ノートやカードを購入して、その作業を代役させようとする子がいます。

しかし、その繰り返しでは自分の勉強スタイルがいつまでも身に付きません。

あくまでも勉強の道具は、自力で創意工夫して作るものだと思います。

・「英語のスペルはきちんと書けるようにする」

英検などもそうですが、最近の英語のテストではスペルまで強要されていません。

子どもの中にも「英単語を書かせる問題は出さないって言っていました」

と異議を唱える子はいます。

しかし、目先の点数や順位より定期テストを通じ自分の勉強スタイルを身につけることが優先としていますので、認めるわけにはいきません。

また、中間テストから次の期末テストまで、期間が短いのにかかわらず範囲は長くなります。

ですので、中間の準備をしながら先の期末テストの準備も並行にしないと間に合いません。

その他、漢字練習の仕方、準拠問題集の利用法、国語の文法や読解の対策など、

全般に目を向けさせるようにしています。

しかし、全教科に万全の準備ができない子どもにいたいしては、優先順位を付けさせ、軌道修正させることも必要です。

まとめノート作りに熱中しているDさんには、

「ノートはカラフルで見やすいけど、時間がかかりすぎて暗記する時間がなくなりますよ。」

学校のワークをさっさと済ませて安心しているEさんには、

「間違えた問題をどうするつもりなの?放っておくのかな?」などと声をかけていきます。

自分の勉強スタイルを身につけるには、早くて1年間はゆうにかかります。

定番の「型」をまねることから初め、だんだんと自分に合わせて完成していくものです。

たくさんの試行錯誤と無駄と失敗を、繰り返した後でしか身に付かないものだと思います。
 

 

2018年11月25日

速すぎる授業の進み具合

ご存じの通り、2002年より続けられたいわゆる「ゆとり教育」が見直されました。

授業数などは30年ぶりに増えることになりました。

その新たな学習指導要綱による学習が、小学生は来年度から、中学生は再来年度から始まります。
 
その先行実施が昨年度から行われていまして(移行措置)、授業内容が徐々に増えています。

あらかじめわかっていたことなので、田中塾では春期講習、五月の連休など平年より多く授業を行ってきました。

しかし、今回の期末テスト範囲の量などを見ると、平年の1.3~1.5倍はあります。

子供たちには負担を少なくと、学校授業の予習を心がけていますけれど、あまりにも学校授業のスピードが速く、後手に回ってしまいました。

特に中3はこの期間に修学旅行が入り、学校授業時間が少なく、子供が理解したかしないかは度外視に、カリキュラム通りの進度は緩むことはありませんでした。
 
塾では文書でお知らせしたように、6月から中2と中3は休日返上で補習を行っています。

中1にも勉強させたい子に声をかけていますが、どうしても部活や遊び中心になっている子供には、無理がきかないようです。

特に知識の血肉化に時間がかかる「数学」を心配しています。

繰り返し言うようですが、単元の講義や問題の解き方を何度か聞いたくらいでは、テストで解くことはできません。

自分の頭で手で何度も練習を重ね、問題を解かねばなりません。

口を開けて待っているような姿勢では何の進歩もありませんし、仮に誰かに栄養を流し込まれても、吸収することはできないでしょう。

スポーツと同じく、身体が勝手に動くように解けるくらいでないと、本番では通用しません。

幸いにして今回の期末テスト準備は、十分時間がかけられたと思います。

中3の「平方根」では、逆に平年以上に時間をかけ丁寧に学習できました。

子供たちは試験一週間前からの勝負だと思っていますが、実は違います。

一週間前までどれだけの土台を造れたが勝負になります。

それさえしっかりできていれば、暗記だけの勝負です。

子供たちは残り一週間もあれば、一人で登っていけます。

前回の中間テストの準備をしている時に、子供たちにこう言いました。

「中間テストの範囲だけではなく、より先の範囲を勉強しなさい。そうしないと次の期末テストに間に合いませんよ。」

このアドバイスを聞いて実行していたMさんらは、いい結果を示してくれるでしょう。

反面、中間テストのことしか目に入らなかったDさんらは苦戦するでしょう。

テストに出る出ない、勉強して損か得かなど近視眼的な学習ではなく、

少しだけでいいですから遠くも見ていてほしいと思っています。

 

2018年11月25日

能力にじゃまをされる子

子ども本人はもちろん親御さんも「勉強ができる」ようになりたいと思っています。

家庭や学校、習い事先などでいろいろな試みを重ねて、日々の苦労は枚挙にいとまはありません。

ところが、田中がたくさんの子どもと出会ってきた中で、何の苦労もしないで「勉強ができる」ようになれる子が何人もいました。

例えばAさんです。

反射神経と瞬間的な記憶力、それにテストに出そうなツボを押さえるのが巧みで、テストの準備で苦労することなく良い結果を得てきました。

親御さんの希望は少しは勉強をして欲しいのですが、トップというわけではありませんが常に上位をキープしていますので、「成績が悪いから勉強しなさい」と叱咤激励する根拠もありません。

しかたなく放任を続けることになります。

しかし学年が進むにつれてただ暗記しただけの勉強から、じっくり総合的な能力が要求されるようになると、Aさんのような薄っぺらな子は対応できなくなります。

順位とともに志望校のレベルも徐々に下がっていきます。

現状を変えるためには、地道な対応が不可欠なのですが、自分の能力に対する過信や自負心、それに「勉強なんて本気を出せば簡単だ」という傲慢心がじゃまをします。

いっそそんな能力がない方が、Aさんはコツコツと大成したのではないかと恨めしく思われます。

このような子に対する対応は、努力をしても勉強ができない子に対する手間ひま以上に、実は難しいものです。

 

2018年11月25日

定期テストの準備②

定期テストの準備を通じて「勉強のしかた」を学ばせようとしています。

中3にあがるまで時期までは、テストの点数や順位などで高得点を出すことを優先するより、

自分なりの「型」を習得させるべきだと思います。

例えば野球のピッチャーを育てるならば、中学生までの身体が伸び盛りの時期には、基礎体力を身につけることが最優先です。

目先の試合のために変化球や特殊技をマスターさせる指導者がいますが、将来の成長度合いを考えると、小手先に頼るプレーは教えたくないものです。

逆にせっかくの才能をつぶしてしまう危険もあります。

学習も同様で、基礎能力と自分なりの勉強方法を獲得する時期には、あせらず丁寧に勉強させたいものです。

今回はテスト勉強の悪い例をあげてみます。

思い当たる子はすみやかに矯正してください。

・「教科書、ワーク、プリントの管理ができていない」

学習の用意の段階ですでにつまずいている子がいます。

日常的な教材の整理整頓、プリントのファイリングなどをきちんとしなければなりません。

試験勉強がプリントの整理に割かれて時間オーバーでは困ります。


・「見ているだけで暗記できると誤解している」

試験直前には、学校からドタバタと暗記するべきプリントが出されます。

出す各教師側からだと少量ですが、出される側の子には大変な総量になります。

それらをただ眺めて暗記しようとしている子どもがいます。

覚えた気になっていても、試験では思い出すことができないことがあります。

本人は面倒くさいので、楽をしているつもりの子もいます。

英単語・漢字、社会理科の用語などは、手に暗記させる気で作業しなければ定着はしません。

・「市販の準拠問題集や通信教育の教材にたよる」

子どもはそれらの表紙の宣伝コピーに惑わされがちです。

「よくでる~集」「これだけで~点アップ」「必ずここが出る~」など。

しかし、定期テストが要求している学力とそれらには大きなずれがあります。

それに気がつかない子は、何度も同じ失敗をします。

日々の授業をしっかり聞き、ノートをきちんと取り、独自のまとめノートを作り、

何度も手で書いて覚えることより効果がある勉強方法はありません。 

「学問に王道なし」といわれます。

短時間の学習で、楽な方法で成績が上がることはありません。

仮に山が当たったり、情報収集のおかげで高得点を得ても、学力を身につけたことにはなりません。

将来そのほころびがはげたとき、苦しむのは本人です。

 

2018年11月25日

小6算数「単位のまとめ」

何度も練習して、日常的に感覚的に学ばせたいところです。

田中の教え方は「大きい単位から小さい単位にするときは、かける」

「小さい単位から大きい単位にするときは、わる」

たとえば「m」から「cm」は大きい単位から小さい単位に直すので「かける」。

「秒」から「分」は小さい単位から大きい単位に直すので「わる」。

しかし速さの単位と混乱しないようにするには、「時速」は1時間で進める道のり。「分速」は1分で進める道のり。

1時間のほうが1分間よりたくさん進めるから「分速」から「時速」はかける。

反対に、1分間では1時間より少ししか進めないから、「時速」から「分速」はわる。

 

2018年11月25日

自習スペースを仮設

中学生のご家庭にお知らせしました通り、自習スペースを設けました。

8席ほどですが、いろいろ片付けをして確保しました。

一番場所を占領していたのはパソコンでした。

子供たちが自由に学習できるように、ディスクトップを4台設置していましたが、全て廃棄しました。

田中塾では12、3年前のかなり早い時期からCAI(コンピューターを使用した学習)を試してみましたが、

いくつかのメリットはあるものの、学習効果に疑問を感じていました。

やはり説明は人の肉声、表情で、絶妙の子供との間(ま)が大事です。

ノートパソコン2台はすぐ使えるようにして残りは処分しました。

田中が自作したパソコンなので、少々名残惜しいところではありました。

子供たちの何人かに「パソコン、ほしい人がいればあげるよ」と言ったものの関心はゼロ。

家庭にもっと性能のよいパソコンがあるとのことでした。

田中が寄せ集めの部品で組み立て、修理してずっと使用してきたこれらは骨董品のようです。

またこれだけパソコンがご家庭に普及してきましたし、無料・有料の学習ソフトも手軽に手にはいるようになりましたので、わざわざ塾ですることではなくなりました。

次は辞書類が不要になる気がします。

以前は自分の英和辞書を常に持ってこさせて、ぼろぼろになるまで引かせていました。

今では電子辞書を携える子が多くなってきましたし、塾のそれを使う子もいます。

一長一短ですが、時代の趨勢には逆らえません。

とりあえず夏期講習期間中、試験的ですが「自習スペース」(中学生限定)を利用いただけます。

学校の宿題や課題などを持ち寄っていただいて結構です。

家庭で無為な時間を過ごしているようでしたら、是非よこしてください。

なお、混み具合などにより時間制、予約制にするかもしれませんのでご了承ください。
 

 

2018年11月25日

この時期の中1の子どもたち(7月)

寒暖が激しい気象の上に、ゲリラ豪雨が続く毎日です。

毎年同様ですが、この時期の中学1年生の子どもたちは、心身共に大変そうです。

つい4月には、中学生として新たな環境に輝かせていた眼が、どんより曇ってきます。

緊張と期待が一気にほぐれて、精神的に不安定になる時期でもあります。

第一に、肉体的に疲労がたまってきます。

学校の日常生活、部活活動も本格的になります。

宿題や提出物なども多く課せられ、追われるように過ごしている子もいます。

不器用で要領の悪い子は、睡眠時間を削らなければなりません。
 
第二に、学習面に負担を感じ始めます。

一つ一つの教科の重みやスピードが増し、ついて行くのにやっとで、「あー、小学生にもどりたいな」とこぼす子どもが出てきます。

英語は新しい教科として、初めのうちは興味津々でしたが、暗記することがらが多すぎて、「私には覚えられない」となげやりな言動もチラホラ出てきます。

第三に、成績順位などを示されて、自分の限界を目の当たりにします。

小学校の頃は、テストや成績表の数値はあいまいでしたが、明確に数値化されます。

結果がよかった子の優劣感と悪かった子の劣等感が、子ども同士の人間関係に微妙な影を落とします。

ライバル意識の誕生といえるものでしょうか。

あんなに仲のよかった子たち、いつも一緒の子たちが、離れて新しいグループを形成していきます。

そんな子どもを見ていながら、しっかりと勉強させなければならないのですが、あまり無理をさせられません。

強く言い過ぎたり、叱りすぎたりすると、「私は勉強には向かないから、勉強しても無駄だ」

という学習コンプレックスを与えるリスクがあります。

田中の観察では、短絡的に物事を決める傾向にある子どもが増えてきたと思っています。

たった2回のテストの結果で、「あー、自分はだめだ」と、すぐ悲観的になります。

Gさんなどは、よい結果とはいえないですが、「先生、2回の中学のテストを受けて、やり方がわかってきました。次は大丈夫ですよ」とめげていません。

こういう子は少しずつですが、自分なりの勉強の仕方を修正しながら上っていくでしょう。

 Hさんは、2回のテストではまだ自分の欠点を見つけられないようです。

自分の足下をしっかりしなければなりません。

まずは毎日の授業を大切にすることです。

試験前だけ血眼に勉強しても、本当の栄養にはなりません。

Qさんの結果は素晴らしかったのですが、田中が全然ほめないので不満なのだそうです。

安定感がないので、もう少し型をきっちりさせなければいけませんね。

Iさんは何番以内になると、欲しかったものを買ってくれるそうです。

本人なりにがんばっていましたが、順位ばかり気にして空回りしていました。

Iさんは頑固な性格です。

それがよく機能すると納得するまで考え抜き、どんどんレベルを拡張できます。

しかし、悪く機能すると、独りよがりの聞く耳を持たない下手な勉強方法になります。

もうすぐ夏休みです。

ここ何週間は塾に通うのも大変な子がいました。

田中のほうも待ちに待っていました。

学校の授業は進みませんので、ゆっくり時間をかけることが出来ます。

先に未消化のところを復習し、そして、2学期も大忙しの時期ですので、なるべく余裕が出来るように負担が軽くなるように、予習中心の夏期講習になります。

 

2018年11月25日

順位と実力

各中学校の期末テストが終了し、その結果や順位が出そろいました。

年々行われる時期が早まり、「学期末」の意味合いが薄まっているように思えます。

早い中学校では6月の中旬に行われました。

毎回そうですが、順位が急激に上がった子供、変わらない子供、下がった子供がいました。

田中が注目している点は、その子の順位が、現在の実力から見て妥当かどうかです。

ですので単に順位がよいからと言ってむやみにほめることはしません。

例えばKさんの社会が高得点で、本人はとても喜んでいます。

だからと行って社会の勉強を積み重ね、実力が上がったわけではなく、

「ここから出題しますよ」というプリントを短時間で暗記できただけです。

理科のテストなどでも科学的素養や思考などを試されるより、試験前に配られたプリントの中から出題されるテストがあります。

意味がわからなくとも瞬間の記憶力で難なくこなしてしまえます。

心配なのは、「テストなんて、覚えればいいだけだ」と勘違いをし、「自分の記憶力なら前日でもなんとかなる」と過信してしまうことです。

小学校、中学校で好成績を残しながら、高校でふるわない子供はこのタイプに多いです。

自信過剰にならないよう注意していきます。

反対にこつこつマイペースで勉強をするタイプのRさんなどは、この手のテストが苦手です。

たくさんのことを短期間にしなければならず、気持ちは焦るばかりです。

順位につながるには時間のかかるタイプですが、自信をなくさないように励ましながら指導していきます。

よいテストとは、その子供の勉強の量や質、または方法を現時点でどのくらい身につけているのか。

また、何が欠点で改善点は何かなのかが、あぶり出されるようなテストです。

がんばった子供が、がんばった分は点数を取って来てほしいものです。

田中はずいぶん長く学校の先生が作成されるテストを見てきましたが、ほれぼれするようなテストに出会うことがあります。

先生の日常授業の熱心さやプリント制作の苦労がありありと浮かびます。

反面、学校出入りの業者の教材をただ切り張りをしただけのテストがあり、ガッカリすることもあります。

Mさん、Aさん、Yさんは、あいも変わらずケアレスミスばかりです。

まずは普段から大きな字で丁寧に書くことを大事にしなければなりません。

さもなければ、同じ過ちを繰り返しますよ。  

 

2018年11月25日

Mさんの悩み

卒塾生のMさんが「みんなで食べてください」と菓子折りをかかえて来ました。

「ごぶさたしていましたので、たまには田中先生の顔を見たくなりました」

などと冗談を言いますが、Mさんの顔つきを見ると何か悩みでもあるのでしょう。

Mさんは4人兄弟で、4人とも田中塾に通っていました。

兄弟たちの一通りの近況を聞いた後は、いよいよ本題に触れることができました。

「実は悩んでいることがあるんです。田中先生の意見を伺おうかと思いまして・・・」

「どうしたの?話してごらんよ。」

Mさんのモヤモヤはずばり、

「実は会社を辞めようかと思っているのです。」

大学を卒業し、東証一部上場の小売業の会社に就職しました。

がむしゃらな1年間が過ぎ、立ち止まって足下や周りを見られる余裕が出てきた頃です。

社会人とはいえまだまだ幼い風ぼうを残すMさん。

気持ちが先走り、なかなか冷静には考えられないようなので、いろいろ遠回りをしながら一緒に会社を辞める理由をまとめてみました。

以下がそれです。

・「仕事がきつい」・・・労働時間が長く、休みが不定期になる業種で疲労がたまっているそうです。

Mさんは柔道や合気道の達人で、頑強な身体の持ち主です。

ですので、そうとう参っているのでしょう。

・「人間扱いされていない」・・・上司や同僚などを観察して、

労働者を使い捨てる会社側への批判が大きくなってきました。

・「将来の自分のためにならない」・・・この仕事を続けていても、何のスキルを積むことができないかもしれない。

また、仮にこの会社に定着して、出世をしても自分のやりたいことや結婚生活などに弊害になるのではないか。

以上がMさんの主張です。

田中は「それなら、あなたが会社を辞めてからの計画はどうなの?

違う会社に転職するとか、家の手伝いをするとか、何かの資格を習得するために勉強し直すとか?」

Mさんは「とくに今のところは思い浮かばないです」

 卒塾生たちが相談を持ちかけてくることがあります。相談者は、 「どうしたらいいか決断ができないから、田中先生の意見を聞きに来ました」

「田中先生にどちらかを決めてもらいたい」

というように突然現れます。

しかし、よくよく話を聞いてみると、悩んではいるものの、実は自分の中に確かな結論を持っているのです。

その結論に自信がないので、相談という形で田中のところにくるわけです。

反対に本当に悩んでいる間は熟し切っていないので、田中の目の前には現れず、一人で七転八倒しています。

ですから、田中の役割は相談者の決断を読みとり、その決断に自信が持てるような言葉でそっと背中を押すだけです。

Mさんはいっぱい話をした後にこう言いました。

 「でも『石の上にも三年』て言いますよね。まだ1年ちょっとしかこの会社を見てないわけですから、三年はがんばっていこうかなとも思うんです」

やはり、Mさんは塾に来る前から自分で考えた結論をもっていました。

田中は「三年間続けるのもいいかもしれないね。

その間にいろいろ状況や気持ちの変化があるかもしれないし。

それまでがんばって、ちぐはぐならそのときまた考えてもいいよね」

「そうですよね。先生もそう思いますよね」ニコッとMさん。

「そうだよ。あなたと同じように思うよ」と田中。

肩の荷が下りたのか、Mさんは「何かありましたら、また来ます」と言い残し、安堵の表情で帰っていきました。


「人生には正解はない」という考え方があります。

田中もそう思います。誰が正解、不正解を判断できるのでしょうか。

もしMさんが「先生、すぐにでも辞表を出し、あたらしい生活を歩んでいきたいです。」

と目を輝かしていたのでしたら、田中はその決断を支持していたでしょう。

ずるいでしょうが、田中は相談者の意見をまとめ、拡声器にように反復しているだけなのです。


さて、Mさん。

たぶんこのブログは見てないでしょうが、一言、添えますね。

「Mさんが選んだ道が大正解です。なぜなら自分で考えつくして、選んだからですよ」
 

 

2018年11月25日

問題集選び

今年の中3の夏期講習は27日間。

早くから来たり、残って勉強していた子供もいました。

がんばった子供には、豊潤な収穫があることでしょう。

 塾では各自受験に向けたテーマを学習しました。

計算の苦手な子には中1からの総復習、英語を再チャレンジしたい子には文法の総復習などです。

その中で特に理科や社会が苦手で、さらに興味がない子供がいます。

受験科目なのでしぶしぶ勉強していますが、なかなか身にはなりません。

そういう子には、田中は小学5、6年生用のテキストを使用します。

受験レベル以前に常識的な地名や歴史人物、天気や生活の中の常識などが欠如している場合があるので、先に基本的な知識のベースを身につけなければなりません。

「急がば回れ」といいますが、あせって自分に合わない教材などで苦しむより、

平易な小学生用教材ですいすい進むことにしています。

「先生、5年生の問題集なんてイヤです。恥ずかしいですし時間の無駄です。」と訴える子がいますが、いざやらせてみると手こずり、ちょうどよい案配だったことが多々あります。

そもそも「歴史」や「科学」の学問や知識に小学生用、中学生用の区別はありません。

たとえ話です。

野球の守備の練習でノックを打つとします。

難しい玉やとれそうのない玉ばかりを出し続けると、すぐに子供は練習がイヤになってしまいます。

しかし簡単にとれる緩い玉では練習になりません。

一番効率がいいのは7割くらい捕れる球だそうです。

7割捕って調子をのばし、後の3割をがんばっているうちに自然に守備力がつくそうです。

学習も同様です。7割くらい理解できる教材が一番適しています。

効率よく飽きも来ません。

それが学年を大きくはずれても、合う教材ならばそれを使用すべきだと思います。
 

 

2018年11月25日

中1の夏期講習

今日で中1の夏期講習は終了でした。

連日塾に来てもらえるので効率よく学習できました。

子供の顔つきを見ると、楽しく勉強できたと思います。

毎年同様、目標は3つありました。

一つ目は「アルファベットの筆記体をかけるようになること」

学校で指導されなくなって以来、書ける子供のほうが少なくなってきました。

田中塾では大文字、小文字30分くらいの練習を10回ほど行います。

その後強制的に単語練習などを筆記体で書かせるようにすると、ちょうど2ヶ月くらいでマスターできます。

二つ目は「英和辞書をひく習慣を身につけること」

これまでは単語の読みと意味は個々におしえてきましたが、夏からは新出単語や忘れた単語は、自分の手でひかせるようになります。

将来、その他の言語を独学で学べるくらいのノウハウは身につけさせたいと思っています。

辞書が手あかにで真っ黒になるくらいまではひいてもらってました。

しかし4年前くらいに電子辞書を持ってくる子供が出始めました。

高校によっては必携としている学校もあります。

田中塾では6台用意してあり、自由に使ってもらっています。

使用方法など指導しなくとも、自然に使いこなしていけます。

三つ目は「一次方程式を解けること」

中1の夏はひたすら計算です。

塾で500題、宿題で500題を解きました。

一題一題ノートにきちんと計算しています。

Fさんは計算ノートを5冊使いました。

1冊目から見比べてみるとその進歩がよくわかります。

田中の口癖「計算は手でやるもの」を身をもって学んでもらいます。

これができてやっと文章題の学習に移れます。

その他の単元でもだいぶん予習ができましたので、

子供たちが忙しい2学期を乗り越えてくれることでしょう。

運動会、文化祭、部活の大会などイベントが目白押しです。

体力的にきつい子には少しは余裕ができたことでしょう。

中1の二学期は、ずるずるマンネリでいくのか、

着実に勉強方法を確立していくかの分かれ目の時期だと思います。

特にJさんは計算に対するコンプレックスがはずれてきました。

塾だけでなく、学校でも丁寧に計算してくださいね。

 

 

2018年11月25日

暗記と知識

Aさんはよく「私の頭では覚えられませんから、勉強ができません」と投げやりになることがあります。

しかし、暗記が得意であることは、直接学力につながるのでしょうか。

勉強は暗記であり、記憶力が頭の良さだと言われます。

子供たちの中でも覚えられる子は尊敬の対象になります。

 例えば、中3の子供たちに「基本熟語」を百数十個暗記させています。

すぐに覚えられる子もいれば、なかなか時間がかかる子供もいます。

熟語の確認テストや、小テストをすれば一目瞭然の優劣がつくのですが、それが直接には学力には関わりがありません。

例えば「be interested in~」→「~に興味がある」

と機械的に覚えるだけでは不足です。

そのような単純な問題は入試には出題されません。

この熟語の「be」を主語や時制によって選択できるようになり、この熟語は受動態であり、後ろには名詞や名詞節が続くということ、さらに動詞なら動名詞に変化させなければならない、ということを理解して初めてこの熟語を理解できたと言えます。

そうなれば、並び替え、適語選択、書き換えなどの問題に対処でき、入試レベルに対応できるようになった、本当の知識を手に入れたということになります。

反対に暗記は苦手だけれど、問題を解くのはうまい子がいます。

四択問題などで消去法で器用に解いてしまいます。

しかし文章を全訳させたり、英作文などは上手にできません。

このような感覚だけで解く方法では、英検などの問題形式には通用しますが、

本格的に学力を試されるテストには通用しません。

高校受験生にとっては、だんだん作業のような暗記の学習から、本格的な知識を身につけ応用力を養い受験に対応できるような勉強法に移っていく時期になってきました。

それに切り替えさせるのは教える側の技量でもあります。

酷暑の毎日ですが、子供たちと精進しています。

 

 

2018年11月25日

計算のケアレスミス

算数や数学のテストで「ケアレスミス」をする子がいます。

本人は「たまたま間違えただけで、何でもないことだ~」と平気な様子ですが、

矯正するには一苦労あります。特に自覚のない子、楽観的な子、面倒くさがり屋の子は、なかなか直りません。

田中は、「子供に自分の失敗を見せて認識させる」いう指導法を取っています。

これは「失敗から学ばせる」ことになります。

・「字が小さい」・・・この欠点は性格や自信のなさなども絡むので、矯正に時間がかかります。

小さすぎる欠点を言い続けながら、精神の成長を待ちます。

・「字が汚い」・・・自分の字さえ判別できない子がいます。

その場合、他の子にその字を読ませてみます。

すこしでも恥ずかしいという気持ちになってほしいものです。

・「途中式を省略する」・・・百マスやインド式計算の弊害で、計算の過程を省略するのが当たり前になっている子がいます。

一行に一つの計算作業しか許さず、ノートにきちんんと計算させます。

問題をきちんと書かせる、ノート全体のバランスをよく見させて、行や列をきちんとそろえられるようにする。

その他、子供がよくおかすミスはパターンがありますので、前もって注意しつつ、間違ったときに適切に認識させます。

 ・「0」(ゼロ)と「6」

 ・「b」(小文字)と「6」

 ・「-1」と「+」(急ぐと重なってしまいます)

 ・「+」(プラス)と「×」(かける)

 ・「x」(エックス)と「×」(かける)

 ・「b」と「d」(向きを間違えてしまいます)

 ・「2/3」と「3/2」(分母と分子を逆にします)

 ・「=」と「-」(棒が抜けます)

 ・となりや、前に問題と融合してしまう。

 また、文章を書くように左から順序よく右へ書かせることも大事です。

とびとびに思い浮かんだところから計算するのはいけません。

上記を注意しながら、スピードよりミスをしないことに重点を置きます。

中1の夏が終わる頃には、「計算の型」ができますので、学年が進んでも計算にあまり苦労しなくなります。

そうして、いよいよみんなが苦手な「文章題」に取り組める下地ができたことになります。

 

 

2018年11月25日

2度解く

中学生は中間テストの準備期間中です。

中1のMさんはテスト対策の勉強が上手になってきました。

整理してまとめる、暗記して演習する作業をメリハリをつけ、合理的にこなしています。

 前回は「先生、テスト簡単でした。全部できました」と意気揚々でした。

しかし、返却されたテストを見ると、思ったより点数が伸びていませんでした。

勉強が上っ面だけで、自分ではわかった、解けたと勘違いしているようでした。

 スポーツもそうですが、練習の成果がそのまま試合に出るわけではありません。

ましてや、練習でたまたまできた技術が試合で出せるはずもありません。

勉強も同じです。

生半可な理解では、実践(テスト)ではなかなか通用しません。

その失敗を補うために、Mさんにはできた問題を「2度解く」ということを指導しました。

一度できた問題をもう一度解かせます。

最初は、いやがるそぶりを見せてみましたが、着実に定着するのが自覚できたようでした。

そうすると試験で多少焦ったり、緊張したりしても確実に解けるようになります。

今回のテストは期待できそうです。

わかったと思ってももう一度解きます。

覚えたと思ってももう一度確認してみます。

ケアレスミスの多い子には効果のある指導法です。

 

 

2018年11月25日

名言集

小学生と「心の名言集28」と題して、古今東西の著名人の名言を暗唱しています。

田中が吟味、選択した名言集です。

早い子で半分くらいを言えるようになりました。

小学6年生くらいまでは、音で覚える暗記力が秀でている時期です。

スラスラと文語体も頭に入っていきます。

Dさんなどは家で暗記の成果を披露しているそうです。


01 聖徳太子(しょうとくたいし)・・・和をもって貴しとなす。

02 高村光太郎(たかむらこうたろう)・・・ぼくの前に道はない、ぼくの後ろに道はできる。

03 寺田寅彦(てらだとらひこ)・・・天災は忘れたころにやってくる。

04 福沢諭吉(ふくざわゆきち)・・・天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。

05 宮沢賢治(みやざわけんじ)・・・世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない。

06 吉田兼好(よしだけんこう)・・・二つの矢をもつことなかれ。

07 孔子(こうし)・・・とも遠方より来る、また楽しからずや。

08 エジソン・・・天才とは1%の霊感と、99%の汗からなる。

09 ガガーリン・・・地球は青かった。

10 クラーク・・・少年よ、大志をいだけ。

11 マロリー・・・山がそこにあるから。

12 リンカーン・・・人民の、人民による、人民のための政治。

13 岡本太郎(おかもとたろう)・・・芸術は爆発だ。

14 西郷隆盛(さいごうたかもり)・・・人を相手にせず、天を相手にせよ。

15 坂口安吾(さかぐちあんご)・・・孤独は人のふるさとだ。

16 世阿弥(ぜあみ)・・・初心忘れるべからず。

17 徳川家康(とくがわいえやす)・・・人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず。

18 二宮尊徳(にのみやそんとく)・・・大事をなさんと欲すれば、小なることをおこたらず勤むべし。

19 野口英世(のぐちひでよ)・・・志ならずんば再びこの地を踏まず。

20 宮本武蔵(みやもとむさし)・・・われ事において後悔せず。

21 与謝野晶子(よさのあきこ)・・・君死にたもうことなかれ。

22 朱子(しゅし)・・・精神一到なにごとかならざらん。

23 孟子(もうし)・・・ゆく者は追わず、来る者は拒まず。

24 老子(ろうし)・・・大器は晩成す。

25 アンデルセン・・・人生はいちばん美しい童話である。

26 ガリレイ・・・それでも地球は動く。

27 シラー・・・友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする。

28 パスカル・・・人間は考える葦である。

 

 

2018年11月25日

学校説明会で

 

夏から晩秋にかけては「学校説明会」のシーズンです。

親御さん、受験生は説明会スケジュールとにらめっこで、多いご家庭では5,6校は訪れたようです。
 
親御さんは、

・進学実績はどうか。

・通学生の服装や身のこなしはきちんとしているか。

・子どもは授業についていけるだろうか。

・他の保護者の雰囲気はどうか。

などに留意されているそうです。

子どもの視点は

・制服はかわいいか。

・設備は整っているか。

・活動したい部活はあるか。

・先輩は怖くないか。

など表面的なものにあるようです。

 学校説明会は、対象の違いにより大きく3つに分けられます。

・中学校の教師向けの説明会

・学習塾の教師向けの説明会

・保護者や受験生向けの説明会

 その「学習塾向けの説明会」に、田中塾開設のころは珍しさも手伝って、田中はよく通いました。

しかし現在では滅多に行くことはありません。

どうも学校の営業活動の一端を担うような気がしたからです。

15年くらい前でしょうか、各学校が生徒を集めるために、営業活動を始めました。

。学校の経営方針が「教育」から「サービス」に転換してきた頃です。

 学習塾向けの説明会では、次の3点が違います。(注意・全ての学校が同様ではありません)

・お車代などとして図書カード、プリペイドカードなどがもらえる。

・昼食が用意されている。

・公表されている合格の基準ではなく、実際の基準を内緒で教えてくれる。

学習塾の教師の中にはいろいろおりまして、効率よく説明会を回りちょっとした小遣いを手にする方もいました。

また、学校の進路の先生と顔見知りになることは、あるコネクションを結ぶことになり、誇らしげになる方もいました。

 そうなると「○○塾の生徒でしたら、推薦の基準を『2』下げますよ」とか、

「受験番号をおっしゃっていただければ、発表の前の日に合否を連絡します」

などの融通が利くようになります。

そうなると塾の格が上がったように思えるのも不思議でした。(繰り返しですが、全ての学校がそうではありません)

現在、学校の情報はいろいろなネットなどのメディアでたやすく手に入ります。

塾の先生しか知らない、子どもにとって大切で本質的な情報などありません。

親御さんと本人が、自身の目や耳で吟味すべきだと思います。

2018年11月25日

思春期のAさんと反抗期のBさん

思春期と反抗期を別々に考えられている親御さんがいます。

しかし、本来は13歳から18歳の不定愁訴の時期全体を思春期と呼び、その間の反抗する一定の時期を反抗期と呼びます。

つまり思春期の時期に数年間、反抗期が入る構造になっています。

他に思春期の間に鬱期がはいるパターンもありますし、思春期であるのに反抗期がない、または表に出てこない子供もいます。

思春期になると

・自分という存在が重くなってきて、友達と比較し優越感や劣等感を持つようになります。

・異性に強い関心を持つようになり、異性の目を気にします。

・自我が生まれ初め、親や先生や周りの大人に不満を持ち、反抗するようになります。

場合によっては社会全体に漠然とした嫌悪感を持つこともあります。

Aさんは数ヶ月前から思春期に入ったようです。

勉強中でもそわそわし落ち着かないようです。

目がきょろきょろ動くので、周りをずいぶん気にしている様子がわかります。

身体もだるそうで、ため息をつくこともあります。

こういう子供には学習の負担を軽くして、少し楽をさせるのが良策だと思います。

後々困らない程度の量を短時間で行う効率性を重視します。

ホルモンのバランスなどで体調は芳しくないので、無理をさせても逆効果になります。

Bさんは思春期であるの上に反抗期でもあります。

感情の起伏が激しく、やはり学習に集中できません。

このような子は、結局時間が解決するのですが、早く大人の考え方を身につけることにより、徐々に静まっていきます。

対応する大人としては、大変なのですが真っ正面からぶつかるべきだと思います。

本人は好きか嫌いかの短絡的な判断しかできません。

そこに何が良くて何が悪いかの善悪の基準を論理的に示します。

言葉だけではなかなか通じないこともありましょう。

また、子供が感情的になったときには、こちらの感情を示すことも大事です。

他者とぶつかりながら、自分だけではなく人間は誰でも同じ感情を持っていると実感させます。

そうしながら、自分と他者との区別や距離感を確立していくのです。

Bさんの話を聞くと、家ではお母さんとガンガンと言い合いをしているそうです。

これなら反抗期がこじれることはないでしょう。

反対に放任して、自我が王様のように拡張したり、病的にいびつになるのは心配です。

本来は大人数の中で友達や先輩大人たちと揉まれる中で、自我や社会性を見つけていきます。

しかし少子化や核家族化、地域社会の変化などで、子供にそういう場が少なくなってきたように思われます。

当初田中塾では、学年によるクラス分けをしていました。

が、小学生、中学生が一緒に学習するようになって十数年が過ぎました。

地域の塾として子供が年代を超えて揉まれる必要があると考えているからです。

 

2018年11月25日

中1「関数・比例反比例」

中1では「比例反比例」、中2では「一次関数」、中3では「二次関数」を学習します。

いわば座標を中心とした「関数」の入門編のプリントです。

頭の中に碁盤のようなテーブルを作ることが肝心です。

教えるコツは座標を、点から線、方向や面を混乱させないように各々練習させることです。

手間を惜しまず実際に座標を置かせるべきです。

多くの授業時間が費やされますが、中1の時期に徹底的に学習しますと「関数アレルギー」は予防できます。

 

2018年11月25日

はげまし方の難しさ

 

秋も深まり、刻々と受験シーズンが近づいてきました。

しかし、受験生のDさんがしょげているので理由を尋ねてみました。

どうやら中学校の個人面談が原因のようです。

「私が行きたい高校に、担任がいうには今のままでは絶対無理だと言われました。

何かやる気なくしてしまいました」

 田中は「そんなことはないよ。順調に合格に近づいているでしょ。会場テストの結果も悪くなかったしね・・」

しかしDさんは「志望校のレベルを下げたくなりました」と覇気がありません。

受験に絶対はないように、指導の中では「絶対合格するからもう大丈夫だよ」

という文言はありません。

また、安心して油断をさせないためにも、楽観的な言葉をかけないようにします。

ですのでもう少しがんばってほしいと奮起を促すときに、

「このままではだめだな」とか「一生懸命に努力しないと合格しないよ」

という言葉選びになります。

そのはげましで「なんのなんの、なんとしても合格するぞ。そのためにもっと努力をしよう」

という感化を先生は期待しているかもしれません。

しかしDさんのように、薬が効きすぎて自信をなくす場合があります。

必要以上に深刻に考えてしまい、やる気がそがれるケースです。

そんな子供が増えてきたように思えます。

はげまし方は難しいものです。

調子に乗せてもだめですし、ほめすぎてもだめです。

ほめないというはげまし方もあります。

上手なはげまし方は、子供の性格を考えながら少し背中を押すくらいの案配がよいようです。

2018年11月25日

辛抱強さ

田中塾では祝日は開始時刻を早めて、平常通りの授業をしています。

家庭の行事などで欠席し、振替授業を希望する子供には行っています。

しかし祝日は休むものと決めて、繰り替え授業を希望しない子供もいます。

同様に、病気で欠席の場合にも振替授業を行っています。

 小学生のAさんは塾を休んだことがありません。

祭日であっても、多少体調を崩していても必ず塾に来ます。

まれに休む場合には必ず振替授業を希望します。

時々は、具合が悪くつらそうなときもあります。

また、思春期でもありますので、勉強するのがイヤな日もあります。

しかし、塾を休むことはありません。

その理由を一度聞いたことがあります。

「塾を休みたいと思ったことはないの?」

「絶対にお母さんが認めてくれません」とAさんは当たり前のように答えました。

他の子が祭日に飛び回って遊んでいるのを尻目に、ちゃんと時間が来れば塾に来て勉強をします。

この習慣はご家庭の強いご指導があってのことです。

この指導によりAさんが身につけたのは、すぐにあきらめない辛抱強さ、ねばり強さです。

問題を解かせていても、すぐには投げ出さず考えつくす姿勢が出てきました。

学習成果もずいぶん向上してきましたので、中学に上がってからも期待できそうです。

 

 

2018年11月25日

個人面談より

 

2学期末の個人面談からいくつの田中のコメントを紹介します。

小学生Aさん・・「順調に学習は進んでいます。

自分で宿題の管理ができるようになりました。

覚えることに対して自信がついてきて、いやがらなくなりました。

特に英語は得意そうに、ご家庭でも音読しているようです。

計算が丁寧にできるようになり、スピードもついてきました。

問題集を一冊やり遂げましたが、文章題はまだまだです。

依存心が強く、人に甘えて深く考えることができないようです。

それは国語の読解にも現れています。

腰を落ち着かせて、深く学ぶことが必要です。

それには読書の習慣をつけるのが良いかもしれません。」


小学生Bさん・・「夏から比べてずいぶん落ち着きが出てきました。

自分の気持ちをコントロールできはじめています。

勉強に前向きな姿勢が見られるようになりました。

集中力も出てきました。

しかし途中で投げてしまうところが欠点です。

文章題や図形問題に根気よく取り組むべきです。

通り一遍問題を読んで何となく解いています。

計算は確実さを優先して下さい。

英語の音読がよくなってきました。

徐々に書く練習や文法に移っていきます。

社会は興味がないようで、一般常識的な知識が不足しています。」


中学生Cさん・・「成績があがったのは、勉強が上手になってきたからだと思います。

これまでの欠点は頑固な性格の融通のきかなさでした。

何でも自分流で決めてきました。

それが最近ではいろいろ受け入れる姿勢をもってきたようで、アドバイスなども素直に聞いて実行できるようになりました。

小学校からみっちり基礎はありますので、

次は安定して今の順位を維持することが課題になるでしょう。

英語の語彙力がついてきまして、丁寧に英文を読めるようになってきました。

文法の知識もずいぶん増えてきました。

数学は納得しないと進まない意固地さが、これまでは欠点として働いていましたが、今回は問題を考え抜くという長所になっています。

他の科目も順調です。」


中学生Dさん・・「テストの結果に、これまでの積み重ねが出てき始めています。

今まで習ったことが、大きくつながってきたように思われます。

本人は今回の結果にホッとしているようです。

しかし最大の欠点の『雑さ』はほとんど改善していません。

自分で書いた字が読めないようでは、これから勉強がどんどん難しく複雑になっていくので、対応は難しいでしょう。

繰り返し本人に言うしかないのですが、自覚がないとなかなか直らないでしょう。

現在は勉強に対しての受け皿ができていません。

いくら注いでもあふれるばかりです。

スポーツと同様、勉強にも欲が出てきてほしいものです。」


中学生Eさん・・「本人としては、一生懸命勉強している割には成績がかんばしくありません。

その理由は学習の効率を考えていないからです。

無駄な勉強で時間を費やしています。

漢字練習などでも漠然と書くのではなく、どの漢字をどれくらい練習したらいいか、さらにしっかりと覚え切れたかを確認しなければなりません。

社会のまとめノート作りばかりで、暗記する時間がありません。

だからといって今までの勉強方法を全部否定する投げやりな態度はよくありません。

新しい単元では時間はかかりますが、一度習ったことの定着は優れているので、もっと自信を持ってもらいたいものです。」

2018年11月25日

こだわりすぎて

学習において基本事項の習熟は大事ですが、たくさん教える事柄がありますので、

ある程度の見切りをつけて次の単元に移ります。

今の段階ではこれ以上理解は難しいと判断したら、時間をおいてもう一度挑戦させたり、講習会などで集中的に学習することになります。

7~8割くらいの習熟度で次に進みます。

しかし、切り替えがうまくできない子がいます。

Dさんなどはそういう性格で、一種の完璧主義の傾向があります。

もちろんこの性格は弱点ではなく、一つのことにこだわる姿勢は重宝されるべきものです。

しかし、テストとなるとこの性格は障害になることがあります。

次々と要領よく準備をこなすことができず、中途半端なままテストを迎えがちです。

例えばまとめノート作りに手間をかけすぎて覚える暇がなかったり、難しすぎて出題の可能性がない問題にずっと取り組んでいたり、

他の教材を買い込み、大事なワークができなかったりします。
 
まれに次のようなパニックに近い状態に陥ることもあります。

7~8割理解しているのでそのまま普通に70点~80点とれる学力があります。

しかし、こっだわり癖の子供は、理解していない残りの2~3割が気になり、どうしようもなくなり、今まで学んだことが飛んでしまいます。

一つでもわからないことがあると、芋づる式にあれもだめこれもだめの状態になり、誇大妄想的に「私は全然だめなんだ」と自分を卑下します。

そうなるとテスト勉強どころではなくなります。

頭が真っ白になってテストを受けてきます。

そうならないために、何事にもある程度の余裕が必要と思われます。

突き詰めて追い込まれる前に、少々わからなくても「これでよし」という楽観的な姿勢もよいかもしれません。

 

2018年11月25日

不合格にして下さい

いろいろな受験生の性格パターンがありますが、ある頃から志望校に合格したいけれど、勉強はしたくないという子供が現れてきました。

普通は、自分の目標とする学校に合格するために、遊ぶ時間や睡眠時間を削って日夜努力することが必定です。

しかし、遊びたいし、寝たいし、好きなことはしたい。

さらには合格もしたいという欲張りな子供がしばしば現れてきました。

これも時代の趨勢なのでしょうか。

その志望校選びも、とうてい合格できるはずのない本人の実力以上の高望みをします。

そんな子供のひとりがAさんでした。

Aさんのお母さんの話によると、Aさんはこれまでの生活一般が順調で、何の苦労もなく挫折を知らない子だといいます。

ご家庭では何度も実力相当の学校を選択するように説得されたようですが、聞く耳は持たないそうです。

Aさんはまるでブランド品を購入するかのように、受験というものを勘違いしています。

Aさんの考えでは、自分にふさわしい学校はどこか。

B高校などはレベルが高く人気があるのでそこにしよう。

私なら合格するはずだ、と短絡的に考えています。

しかし一向に合格のため努力をする考え自体がありません。

田中はAさんとAさんのお母さんに再考を促します。

「このままでは合格は無理でしょう。

受験に絶対はありませんので、万が一合格したとしても、学年300人の中でついて行くことは難しいでしょう」と田中は助言します。

楽観的なAさんは「大丈夫ですよ、先生。私はやるときはやりますから。」

田中は「今がそのやるときではないのですか?」

Aさんは、都合の良い色眼鏡で自分や周りを見ています。

現実の自分や状況を直視できないようです。

このままAさんの思うようになったら、末恐ろしいところもあります。

Aさんのお母さんは「先生、この子の将来のためにも不合格にしてやって下さい。

この受験を通じて挫折を経験させておかないと、あとで苦しむのは本人です。」

結果は見事不合格でした。

案外Aさんはその結果にさばさばしていました。

後日談ですが、3年後の大学受験では見事リベンジを果たすことになりました。

Aさんにとっては、高校受験で不合格になったことが良い薬になったようです。

 

2018年11月25日

計算矯正法

 

今回の話題は、教える側のテクニックについてです。

計算の苦手な子供をどう指導するかに焦点を当てます。

計算の苦手な子は、学習の基本的な姿勢ができていない場合が多いです。

つまり、問題をきちんとノートに書いて、一行ずつ丁寧に計算する。

面倒くさがって、プリントの端にちょこちょこと計算したり、頭の中で解こうとする子はだめです。

矯正チェックその1

「自分の数字、記号が認識できているか」

子供が見ているものと大人が見ているものは違っている場合があります。

はっきりと画像として見えてない子供は、次のような数字や文字があいまいに認識しています。

・0と6

・2と3

・1と7


・3と5

 以上の判別ができていない子には、数字を丁寧に大きく書かせる様に指導します。

子供本人に間違えの癖を自覚させます。

・aとd

・bとd

・fとt

・+と×

・xと× (エックスとかける)

・+と-1

・=と-

これらもきちんと書かないと見間違えることが多いです。

子供が気づくまで繰り返し指摘しなければなりません。また、

・書く文字が小さすぎる。

・上の行と下の行がくっついてします。

・同様に、左の式と右の式が重なってします。

なども、早めに治さなければなりません。

これはノートの使い方の基本なので、他の科目にも影響します。


矯正チェックその2

「一行に一つの作業しかやらせない」

 確実に正解ができるまでは、いくら時間がかかろうとも上記を守らせます。

・約分をしながら、帯分数にする。

・2つ以上の項を移項する。

・分数に直して逆数にする。

 などを禁じます。

 矯正チェックその3

「間違え直しは、間違えたところを直させる。」

 計算を間違えると、また初めから直そうとする子供がいますが、

それでは時間の無駄であり、同じミスを繰り返すリスクがあります。

そうではなく、自分が解いた計算を見直すということを徹底させます。

それには正しく読めるようにきれいに書いていること、

一行一行ていねいに計算が続いていることが条件になります。

 以上3点に注意しながら、たくさんの時間をかけ、たくさんの問題を解く以外に方法はありません。

特にやり方はわかっているが正解が出ない子や、ケアレスミスがいっこうに直らない子は、じっくり腰を落ち着けて計算に取り組まなければなりません。

2018年11月25日

学べる幸せ

東日本大震災から、早くも20日が過ぎようとしています。

お亡くなりになられた方々のご冥福を祈念申し上げますと共に、被害を受けられた方々、そのご家族に、心からお見舞いを申し上げます。
 
まだまだ予断を許さない状況ですが、子供たちがこの災害を前にどう感じたのかを観察しています。

発生当初は、とてつもないことが起こったと思いながら、子供は正直です。

ワクワクする気持ちを押さえられない子供がいました。

停電が実行されるのも、期待をもって待っている風でした。

幸いにして田中塾は一日も休むこともなく、授業を続けられました。

当たり前のようにDさんなどは、

「先生、今日は停電なので塾はお休みですよね」と連絡してきましたが、

「いいえ、停電が起こる前に授業を終わるようにいらっしゃい」と言うと、ガッカリした様子でした。

これまでのこの地域の停電は計2回でした。

昼間の停電中は何の支障はなく、夜の停電では、

子供たちが自主的に早く来て勉強を終わらせて、

停電前に帰途につくことができました。

これから夏にかけて、停電の回数は増すでしょう。

自分で情報を集め、判断し、計画的に塾に来てほしいものです。

学習時間や通塾日などは臨機応変対応します。

田中のほうは、震災当日は帰宅の手段がなく、塾にて宿泊しました。

夜中に近くのコンビニに行ってみると、卒塾生がアルバイトをしていて、久しぶりに近況など聞ける機会ができたのは良かったと思います。

少々仕事の邪魔をしましたが。

東武野田線が止まったときは、つくばエクスプレスや京成バスなどを利用しました。

ずいぶん歩きましたが、多数の通勤手段を見つけられました。

このような状況になって、初めてわかること。

それは当たり前の日常のありがたさです。

また、その当たり前を支えているライフラインなどに従事している方々の縁の下の大切さです。

子供たちがこうして勉強を続けられることは、当たり前のことではなく、とても幸運なことだといまさらながら気づかされます。

縁あってお預かりをしている子供たちと勉強できることは、ありがたいことだと重々感じられる毎日です。

 

2018年11月25日

依存心

 

Bさんは依存心の強い子です。

概して末っ子などの下のお子さんが、特に年が離れたしっかりもののお姉ちゃんやお兄ちゃんがいる場合に強い傾向にあるようです。

問題を解く姿勢にもそれは現れます。

じっくり考えたり粘ったりする前に

「先生、わからないので教えて下さい」

と頼ってきます。

そういうときはやんわりと突き放します。

「考えればわかることは教えません」と。

しかしBさんはこりずに

「考えましたけれど、わかりませんでした」ときます。

「それなら、ヒントをあげるからもう一度考えてみなさい」と田中は譲りません。

Bさんに教えてしまうのは簡単です。

その日の授業も形だけはうまくいきます。

しかし、その繰り返しでは依存心が弱まることはありません。

将来的にも学習に対する姿勢を改めないと、苦労するのは本人です。

Bさんはゆったりとした特有のペースを持っているので、年上の兄弟はそれを見てイライラしてくるようです。

そこで代わりにサッサと片づけてしますようです。

「なんでも人がやってくれるんだ」とBさんは、人に頼る処世術を身につけてしまっています。

いつまでもお人形さんのようではだめです。

2018年11月25日

時間をかける

子供の性格や能力は千差万別で一筋縄にはいきません。

一緒に勉強してすぐに目に見える成果が現れる子供と、なかなか結果が出てこない子がいます。

面談の折り親御さんには、田中が観察した分析と理由を述べた後に、

「この子は時間がかかると思います」と率直に申し上げる場合はあります。

「早くても半年は見て下さい」「一年は見て下さい」と申しても、ご理解いただけるのはありがたいことです。

 中学の定期テストなどの成績や順位などは、範囲が決まっていますので、その科目の先生が利用するプリントや前年度の問題で対策を立てると、

すぐに点数が向上します。

しかし、それはたまたまそのテストができただけですので、決してその科目ができるようになったわけではありません。

子供本人も「自分はできるようになった」と勘違いしがちです。

そういう付け焼き刃の勉強の仕方では、成績が下がるときはすぐですし、本当の学力が試される受験には通用しません。

お預かりした子供には、もっと遠い将来に結びつくような確固たる学力を身につけてもらいたいと思っています。

 第一に時間をかけるべき子供に課するのは、

「型を身につける」ことです。

いわゆる「勉強の仕方がわからない」と言う子供は、この型ができていません。

具体的には例えば英語なら、「英文をきちんと書く」

「わからない単語は調べる」

「きちんと日本語にしてみる」

「単語熟語を何回も練習して暗記する」

「暗記できたか確認する」

「問題集を解いてみる」

「間違ったところを納得する」

「忘れた頃にもう一度解いてみる」といった流れ作業になります。

これらの作業を最初からできる子はいませんので、日々の学習の中で身につける訓練をしなければなりません。

一度この型が身に付けば、自主学習、家庭学習ができるようになりますから、大きな強みになります。

他の科目にももちろん通用します。

反対に早熟の子に多いですが、反射神経や記憶力だけの勉強がうまくいっていて、型を身につける訓練をしなかった子供は大成は難しいです。

Aさんに今ちょうどその訓練をしています。

もう少し早い時期に行うべきででしたが、ぎりぎりのタイミングだと思います。

この「型を身につける」ための時機は限られているのです。
 

2018年11月25日

中2英語「比較」

一見教えやすい単元に思われますが、

「原級」「比較級」「最上級」の区別をしっかりつけておかなければなりません。

子どもたちが引っかかりやすい所は、

・前置詞「in」と「of」の使い分け。

・形式のうえでの「~級」と意味のうえでの「~級」。例えば、

I am not as young as he.

の文は形式のうえでは「原級」ですが、意味のうえでは「比較級」になります。

混乱しないためにパターン化し慣れさせることが大事です。

・特に副詞の訳はていねいに教えます。

「泳ぐのが速い」は×

「速く泳ぐ」は○

後々、書き換え問題で苦しまないように、正確に訳させます。

 

2018年11月25日

国語が苦手な

中学生の期末テストの結果が出そろい始めています。

グーンと伸びている子、なかなか伸びきれない子、低迷している子がいます。

それぞれに理由を考えながら、次の展開に進むことは大切です。

国語が悪かったのはNさん。他の科目はまずまずなのですが、極端に国語の点数が低く、合計の足を引っ張っています。

国語が苦手な理由は様々ありますが、Nさんの場合は、彼の性格がかなり影響しているようです。

漢字の知識や語彙力が劣っているわけでも、文章が理解できないわけではありません。

しかし、頑固一徹のマイペースな性格が、国語の問題を解く時に大きな邪魔をしています。

文章を読むというのはこちらからすり寄り、

「文章には何が書かれているか」

「作者は何を言いたいのか」を読み解くことが必要です。

そして想像力を駆使し作者と共感し、思考回路を合わせていかなければなりません。

しかし唯我独尊のNさんには、この作業がうまくできないようです。

勉強以外での学校生活や部活などでも、頑固に自分のペースを貫いているのではないかと思われます。

とりあえず、国語の問題集を渡し、少しずつ進めていくことにしました。

あまり「国語、国語」と根をつめると嫌いになってしまいますので、無理のないペースを保ちます。

国語の先生との相性などもありますが、もう少し時間がたって、相手の立場にたてる視点が出てきたり、相手の気持ちになって考えることができるようになると、

文章はたやすく読めるようになると思います。
 

2018年11月25日

コロボックル

小学生のAさんのお母さんから前回の面談の際、もっと子供に本を読ませたいとご要望がありました。

なかなか家では読書の習慣がつかないようで、心配されています。

そこで田中が毎回少しずつ本を読むように指示し、Aさんはその範囲を読んで、内容や感想を話すことにしました。

一回の読む量はいやがらない程度にしていますので、そんなに読み進めることはできません。

もう3ヶ月目になりますが、1冊を読了しただけです。

本はご家庭で選んでもらっています。

今読んでいる2冊目は、佐藤さとるの『だれも知らない小さな国』です。

親御さんの世代には夢中になって読んだ記憶を持つ方がおられるのではないでしょうか。

コロボックル(こびと)が自分の周りに現れないかと探し回った経験もおありではないでしょうか。

このAさんの読んでいる文庫本はお父さんが読んだものだそうです。

年季が入っている本です。本当は毎回の量などを決めずに、心のおもむくままに読み進めてほしいと思っています。

「先生、おもしろいので全部読んできました」くらいに。

しかし、Aさんは律儀にも機械的にも課題をこなすように読んでくるだけです。

コロボックルの話をAさんとしていると、夢中になるのは田中のほうだけです。

本を読んでワクワクするような気持ちは、なかなか伝わらないものです。
 

 

2018年11月25日

英検の功罪

某都内私立中・高校で、教師が生徒に解答をあらかじめ教えるという不正が発覚しました。

恒常的になされていたようです。

英検協会発表によると同様の不正は他会場にも複数あるようで、未見も含め氷山の一角に過ぎないかもしれません。

田中塾では英検の試験は行っていませんが、準会場として2級~5級の一次試験を行えます。

試験2日前まで問題は届けられるので、前日に「対策授業」を行うことは可能です。

直接的に解答を教えないまでも、類似問題で何気なく正解に導きたくなるのが教師の人情でしょう。

また、くだんの教師は「達成感を与えたかった」のを動機としていますが、努力の末に物事が成し遂げられないこともあるという事実を、子どもに受け止めさせるのも教師の役割ではないでしょうか。

さらに英検の内容を吟味すると、例えば3級取得のためには中学3年生程度の知識が必須とされていますが、実際は「関係代名詞」や「受動態」「現在完了」など重要項目を未就学でも合格できます。

英検協会発行の対策問題集で選択問題の要領をつかめばよいのです。

ですので合格したからといって英語力を習得したと誤解している子どもたちの懸念もあります。

英語学力はクイズで習得できるものではありません。地道に日本語にする、英語にする作業の繰り返しが必要です。

 また、先日の漢字検定協会の不祥事などを合わせて、入試の際の検定試験合格者優遇処置を見直す動きも出ています。

 

2018年11月27日

社会の時事問題

近隣の中学校では定期テストに時事問題が出題されることがあります。

主に社会科です。まれに理科でも出題されますが、数ヶ月でそうそう適当な理科に関するも話題はないようです。

長い間観察していますとある傾向が現れます。


テストとしてふさわしくないのは、

・殺人や自殺事件。

・金銭に関わる事件(汚職や経済動向)。

・芸能・スポーツネタ(オリンピックは除く)。

・新商品開発や発売記事。

ある時期「イチロー選手はどこの都市の球団に移籍しましたか?」、「秋場所で優勝した力士の名前は?」などスポーツネタがよく出題されました。

スポーツに興味がない子どもと「これはかたよった出題だよね。」と吹聴していたせいか、近年はほとんど見ていません。

新聞報道やテレビニュースでは以上の4つの話題が大部分をしめるので、消去法でテストにふさわしい話題は少数に絞られます。

・天災(大きな地震、津波、噴火など)。

・政治におけるイベント(選挙、解散、組閣)。

・受賞関係(ノーベル賞、文学賞など)。

見聞を広く、知識を深める主旨であろうかと思われます。
しかし、最近では新聞を購読されてない家庭が増え、また経済紙やスポーツ紙のみなどのご家庭もあります。
また、テレビのニュースといえども、珍奇な事件や猟奇的殺人、興味本位の三面記事的な話題が多い内容では、子どもたちに「ニュースはためになるから見なさい」とは一概に勧められなくなってるような気がします。

 

2018年11月27日

明日は県立一般入試

明日から2日間千葉県立の一般入試が行われます。世相を反映してか、倍率が平年以上に高くなっています。

しかし、冬期講習以来、毎日のように塾で勉強してきた子どもたちの顔つきを見ると不安はありません。

特にLさんは毎晩遅くまで勉強して、目の下にクマができています。

その様子を保護者は見て取られたのでしょうか。

志望校を変えずに最後まで挑戦させるのがご家庭の決断でした。

今日の朝刊には最終の倍率が掲載されていました。

子どもたちは受験が自分自身との戦いだと気がついていますので、一喜一憂することはありません。

勉強を怠けた子ほど偏差値や倍率などのデータを気にするものです。

教える側も然り。いつものように今日できることを行うだけです。


例年ならば故事成語「塞翁が馬」の話しを受験直前に聞かせるのですが、今年は機会を逸しました。

語る必要がないほど子どもたちは泰然自若の様子です。

結果を見るまでもなく、あなたたちの受験はりっぱなものでしたよ。

 

2018年11月27日

写真で見る田中塾①

旧看板

1994年から2020年まで使用していた看板です。落下の恐れがあるために外しました。田中塾は3回引っ越しています。今のビルの4階→隣のビルの4階→今のビルの2階→現在の階。

現在の看板

2020年から看板。知り合いの方から破格の安値で取り付けていただきました。デザイン、データー入稿は自前でした。カットはイギリスの市民団体から拝借したもの。

 

2021年01月06日

写真で見る田中塾②

コラム

 

近隣の中学校では定期テストに時事問題が出題されることがあります。

主に社会科です。まれに理科でも出題されますが、数ヶ月でそうそう適当な理科に関するも話題はないようです。

長い間観察していますとある傾向が現れます。


テストとしてふさわしくないのは、

・殺人や自殺事件。

・金銭に関わる事件(汚職や経済動向)。

・芸能・スポーツネタ(オリンピックは除く)。

・新商品開発や発売記事。

ある時期「イチロー選手はどこの都市の球団に移籍しましたか?」、「秋場所で優勝した力士の名前は?」などスポーツネタがよく出題されました。

スポーツに興味がない子どもと「これはかたよった出題だよね。」と吹聴していたせいか、近年はほとんど見ていません。

新聞報道やテレビニュースでは以上の4つの話題が大部分をしめるので、消去法でテストにふさわしい話題は少数に絞られます。

・天災(大きな地震、津波、噴火など)。

・政治におけるイベント(選挙、解散、組閣)。

・受賞関係(ノーベル賞、文学賞など)。

見聞を広く、知識を深める主旨であろうかと思われます。
しかし、最近では新聞を購読されてない家庭が増え、また経済紙やスポーツ紙のみなどのご家庭もあります。
また、テレビのニュースといえども、珍奇な事件や猟奇的殺人、興味本位の三面記事的な話題が多い内容では、子どもたちに「ニュースはためになるから見なさい」とは一概に勧められなくなってるような気がします。

 

2021年01月06日