12月

  • 12月26日 子供たちから「田中先生」と「先生」付けで呼ばれることに、いつの間にか慣れてしまったように思えます。
    「先生」の謂いは「さきにうまれた」と訓読するのが普通ですが、時々子供たちには、「まずいきている」と説明するときがあります。
    みんなと同じ時間と場所で、同じ視点で生きていることを確認します。

    12月27日 冬期講習中です。
    連日子供が塾に来ることができるので、効率よく予習ができます。
    小6は春までは新しい単元を学習しません。
    中学校に上がる前に、「比」「濃度」「割合」「速さ」などを徹底的に復習します。
    中1は「図形」のところを勉強しています。
    「図形」が苦手な子供は、なぜか「漢字」も苦手です。
    「漢字」の由来がものの形からきているからでしょうか。

    12月28日 R君の通知票を拝見して、小学校の先生の評価に納得がいかないところがあり、R君のお母さんとお話ししました。
    どうもR君はいくつかのアクシデントを通して、悪いレッテルを貼られたようです。
    それが通知票の数字に表れています。
    偏見や先入観で子供を見てはいけない、また幾度の失敗を重ねても、広い寛容力で受け入れることこそ、教育的配慮だと、田中は考えています。

    12月29日 M君は、英語が苦手です。
    理由は毎日の作業的な学習を面倒くさがって、さぼっているからです。
    本人もわかっています。
    そこで、冬期講習の大部分の授業を英語の復習に割り当ててています。
    効果は絶大で、次々と習得しています。
    しかし、来週から学校の授業が始まって、「元の木阿弥」にならないように工夫してください。

    12月30日 本年最後の授業でした。
    開塾当初は、季節に合わせていくつかの行事を塾内で催してきました。
    体育館を借りてのスポーツ大会、ケーキを囲んでゲームをしたクリスマス会、皆でカレーを調理して食べたお食事会、節分には豆まきなどもしました。
    しかし、近年は計画していません。
    田中の方にいろいろな面で余裕が無いのかもしれません。

    12月31日 受験間際になって、受験校を増やそうという子供と減らそうという子供がいます。
    両者とも極度の不安に陥り、「どこにも合格できないんではないか」と思うことからの防衛の行動と考えられます。
    増やそうという子供は、まだ挑戦する気力があるのですが、減らそうという子供は心配です。
    「落ちる」経験に自分が絶えられそうもないという「逃避」に近いものがあります。
    その状態が重度になると「どこも受験しない」といじけるパターンもあります。

    01月01日 謹賀新年。あけましておめでとうございます。
    田中塾も今年で15年目を迎えることになります。
    「自ら考える地球の子」というのが開設以来の塾のモットーです。
    今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いします。

    01月02日 少しずつ大人になってきて、自分のことだけではなく、世間や、世界に興味を持ち始めた子供たちと、時事に関しての会話を楽しむことがあります。
    たとえば、「高齢化の問題」「環境問題」「世界情勢」などテーマは様々です。
    話をする時に注意をしていることは、世界の現状や未来を、悲観的に、深刻な様に伝えるのではなく、同時に、改善され、夢の輝く未来を一方に提示するようにしています。
    素直で信じ込みやすい子どもに、ありのままの社会の矛盾や弊害を伝達させるときの配慮が必要です。

    01月03日 心身ともに子どもの変化は、突然訪れます。
    先入観で「この子どもはこうなんだ」と決めつけていると、その激変を的確に捉えることができず、対応を誤ることもあります。
    M君がまさにその時です。
    きっかけは、「自分が大事にされている」と確信をもったことによると思います。

    01月04日 Eさんと国語の読解を学習中の出来事です。
    Eさんはろくに文章を読まずに、答えを書いてきます。
    田中「なぜ、しっかり考えて問題を解かないの?」
    するとEさんは「だって、問題に『適当なものを選びなさい』と書いてありますから、適当に選びました。」
    しばしの沈黙です。
    Eさんは冗談でそういっているのではないのです。
    素直に問題に従ったまでです。
    「適当」の意味が二通りあると再認識した出来事でした。

    01月05日 中2の子供たちに少しずつ受験についての話を始めました。
    「県立と私立」、「推薦と一般受験」、「内申書と偏差値」などです。
    とりあえずは、学校の授業や提出物をていねいにこなすことの重要性を強調しました。
    受験生としての心構えを身につけるのには、時間がかかります。

    01月06日 家庭学習はあくまでも家庭の範疇にあるものだと思います。
    いくら、学校や塾で管理しようとも限界があります。
    宿題を課することは容易ですが、それをこなすことによって、学力の滋養になるか、または、単に時間つぶしになるかは、その子にかかっています。
    「学習する習慣を身につけてほしい」と親御さんは願いますが、それを学校や、塾に頼ることはできません。
    結局は家庭の問題だと思います。

    01月07日 W君のお母さんの話によると、近頃W君が「僕はだめなんだから・・・」と自信をなくし、いじけているそうです。
    他人の前ではその弱さを見せまいと突っ張っているのですが、お母さんにはふと愚痴を言ってしまうそうです。

    01月08日 お休みです。

    01月09日 成人の日でおやすみですが、中3は追い込みの授業をしました。
    進学校が決まっている子供も同じです。

    01月10日 「塞翁が馬」という故事成語があります。
    「塞翁の馬が逃げたが、北方の駿馬を率いて戻って来た。
    喜んでその馬に乗った息子は落馬して足を折ったが、ために戦士とならず命長らえた」
    という故事から生まれた「人生は吉凶・禍福が予測できない」たとえです。
    Sさんにその話をしました。
    今のSさんの悩みにぴったりの言葉のようでした。

    01月11日 G君は、非常に字が汚いのでお母さんも心配しています。
    理由はいろいろあると思います。
    不器用で、細かい作業ができるほど指が発達していない。
    めんどくさがりで、落ち着きがない。
    頭の回転ばかりが空回りをしていて、指とのバランスがとれていない。
    一朝一夕で身につけられるものではありません。
    本人が自覚するようであれば、そう時間がかかるものではないのですが・・・

    01月12日 英語が得意科目になってきたのは、Dさんです。
    穏やかな顔つきで問題を解いています。
    「英語なんて覚えればいいだけだから、簡単ですね。」と自信満々です。
    そうです。
    英単語、英熟語を暗記できるとおおかた英語は分かるようになります。
    後は文法で知識を体系的に整え、長文を読む訓練をすればいいのです。

    01月13日 理科の学習時間を増やす必要を感じています
    。しかし、理科にばかり時間を費やすと他の科目に影響が現れるので、そのバランスに苦慮しています。
    C君は学校で行われる実験の意味をとらえることができないようです。

    01月14日 Gさんは県立の特色化選抜試験で、作文を課せられています。
    50分で600字にまとめます。
    最初の頃は、3時間くらいかかりました。
    20前後の題で練習した結果、時間内に収まるようになりました。

    01月15日 お休みです。

    01月16日 J君は几帳面で生一本な性格です。
    しかし、反面、頑固で融通の利かないところがあります。
    友達から冗談を言われても、本気に解し、時には争いが起こるようです。
    軽く受け流し冗談で返答できるくらいの余裕も、身につけてほしいと思っています。

    01月17日 本日午後3時より、Cさんの合格発表がありました。
    高校のホームページにも同時掲載されますので、田中も時間前からアクセスしていました。
    時刻ぴったりに、合格者の受験番号がアップされました。
    何とも味気ない発表ですが、現代的なのでしょう。
    ドキドキしながら校門をくぐり掲示板へ歩く、ソワソワしながらポストを何度でも見に行く。
    そんな経験も過去のものになりつつあります。

    01月18日 この時期の受験生からよくある質問は、「この高校に合格するためには、何点とればいいのですか?」。
    このような質問をする子は、自分に自信がなくなり、受験に対して多少の不安を感じています。
    安心したいがために先の質問をします。
    最低点より上だとほっとするわけですが、ほっとしすぎて勉強しなくなる場合もあるので、田中の答は「平均点は毎年変わるから、合格最低点は断定できないよ。
    同じレベルの子供たちが、限られた席に座ろうと競うのが受験だよ。
    ただね、一生懸命勉強しているあなたが、落ちるわけはないでしょう。」
    受験資料を見てあれこれ思案する時間より、勉強する時間を優先させてください。

    01月19日 「教科書は基礎的でやさしい」と考えられている親御さんがおられますが、田中はそうは思っていません。広範な単元をたった1冊に収めているのですから、一字一句の無駄のないエッセンスです。教科書の内容をよく吟味し、咀嚼した後ではないと、子供たちの口に入れても吸収されることはないようです。

    01月20日 Cさんらが、明日受験をしてきます。夕方から塾に集まり、最後の仕上げをしていました。子供たちの顔つきを観察すると、だいたいの結果が予想できます。「やるだけのことはやった。後は、潔く受験して、その結果を素直に受け入れよう。」という心持ちになれば、まず大丈夫です。

    01月21日  田中先生を手伝うCより。
    「今年のお正月は、テスト勉強に追われていました。
    冬休み明けたと同時にテストが始まりました。
    冬休み中は、学校が休みなので、テストという気がしなく、のんびりと勉強していたので、今回のテスト期間はかなり、必死でした。
    また、今年は成人式でした。
    中学卒業してから、なかなか中学の友達と会う機会というなはないので、とても楽しかったです。
    次の日がテストというのがとても痛かったのですが、二次会まで参加してしまいました。」

    01月22日 お休みです。

    01月23日 受験生を抱える親御さんが、子供の心配をするのは当然なことです。
    しかし、親御さんの度が過ぎる心配は、子供に乗り移り、悪影響を及ぼすことがあります。
    受験までの数日間はなるべく普段通りに、子供に刺激を与えないようにすることも、一つの良策だと思っています。
    受験前夜は「カツ丼」を食べて、験を担ぐご家庭が少なくなってきたようです。
    消化不良の心配があるからのようです。

    01月24日 「田中塾日記」が7年目に入ろうとしています。
    予想以上に手間のかかる作業で、何度か休載を考えましたが、
    「田中先生、楽しみにしていますよ。」の励ましに、今年も何とか続けていきたいと思います。
    そこでお願いです。保護者の方より、文章をいただきたいと思います。
    「田中塾日記」をお読みになっての感想や意見、また日頃お考えになっていること、「子育て」や「受験」、「しつけ」など、何でも結構です。
    田中の負担を軽くするためよろしくお願いします。

    01月25日 高校受験合格の報を多数いただいています。
    本日時点で一つの不合格の連絡もありません。
    しかし、「合格」は塾だけの手柄ではありません。
    本人の努力と親御さんの思いやりの成果だと考えています。